【ゴールド】金にまつわる5つの誤解【デメリットはない?】

オール・シーズンズ戦略

メジャーなゴールドETFであるGLDやGLDMを運用しているステートストリートが金投資について良質な記事を発行しています。

【Debunking 5 Common Gold Misconceptions】https://www.ssga.com/library-content/products/fund-docs/etfs/us/education/spdr-debunking-5-common-gold-misconceptions.pdf

2019年11月に発行されたこちらの記事を参考に『金投資にまつわる5つの誤解』をまとめてみました。

誤解その1:金には長期的なリターンは期待できない

上記のとおり、2019年9月30日までの10・20・30年の期間をそれぞれ見てみると、株式や債券などの伝統的資産とそれほど遜色のないリターンを記録しています。

1971年のニクソン大統領による金本位制の停止以来、2020年4月までの金価格の年平均成長率は7.71%です

また、金には株式や債券との低い相関による高い分散効果も期待でき、特に株式市場の下落局面で価格が上昇する傾向については広く認識されています。

上記の株式市場の下落局面では、S&P 500は平均▲23.48%のリターンを記録していますが、金は平均7.18%のリターンを記録しています。

誤解その2:金はリスク(ボラティリティ)が高すぎる

過去30年の長期で見れば、金のボラティリティは年換算で15.44%と、S&P 500の14.32%を多少上回る程度です。

したがって、金は株式と比較してリスク(ボラティリティ)が高すぎるという指摘は的を射ていません

また直近10年間の実績を他の現物資産と比較すると、金は不動産に次ぐ低いボラティリティを記録しています。

この点からも、現物資産をポートフォリオに加える際に金は有力な候補となってきます。

誤解その3:金は利子がつかないので価値がない

確かに金には株式や債券のような配当や利息の支払いはありません。

したがって、金投資においては純粋にキャピタルゲインのみを期待することになりますが、金地金価格を決定する需給関係の要因は他の伝統資産とは一線を画しています。

上記のとおり、2014~2018年のデータを見ると金需要の内訳は、宝飾関係が53%を占めており、テクノロジー関連の8%と合わせると、全体の60%ほどが実需によるもので、残りは投資目的(27%)と各国中央銀行による購入(12%)が占めています。

中央銀行の需要は基本的に市況に左右されるものではありませんが、一般に実需は好況期に伸び、投資目的の需要は不況期に伸びます。

このように各需要家が各景気サイクルで異なる動きを見せることから、投資家主導で価格が形成される伝統的資産とは異なる値動きが期待できます

各景気サイクルにおける金のパフォーマンスは上記のグラフが参考になります。

基本的に金には現在のような低金利下において最も力強いリターンが期待できます

特に実質金利が2.5%を下回る環境では金を保有する機会費用が低減するため、歴史的に高パフォーマンスを記録しており、過去を振り返ると最も高いリターンを記録しているのは現在のような実質金利がマイナスの期間です。

誤解その4:金への投資は高インフレ期のみ有効

青色のバーが3%を下回る低インフレ期、薄緑が3%を超える高インフレ期の金のパフォーマンスです。

確かに高インフレ期の方が名目・実質ともに高いリターンを記録していますが、低インフレ期においても名目ベースで5.07%と堅実なリターンをもたらしています。

なお、高インフレ期の名目リターンは15.05%と驚異的なリターンとなっています。

誤解その5:金価格が上昇するのはドルの価値が下がる時だけ

青線がドルインデックス、黄線が金価格です。

確かに青線が下に落ちている時(=ドルが減価している時)に金価格が上昇する傾向は見て取れますが、上述のとおり、金価格の変動要因は必ずしも金融市場だけに依存するものではないため、常にそうとは限りません

まとめ:金に投資をするならGLDかGLDMがおすすめ

ここまでをご覧になり「私も実際に金に投資してみたい!」という方は米国市場で取引されている金ETFのGLDもしくはGLDMを購入することをお勧めします。

各ETFの特徴は以下のとおりです。

一言で言えば、GLDが世界最大のゴールドETF、GLDMが最安コストのゴールドETFと言ったところでしょうか。

私自身は経費率が低いことと、最低取引金額が小さいことから、GLDMの方を好んで投資しています。

以上、金投資のメリットについての考察でした。本日も最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

コメント

  1. ゆーゆ より:

    いつもありがとうございます。
    質問させてください。
    GLDMの年間の実質コストら何%くらいでしょうか?
    積立てだと購入手数料が2%前後かかるのでどちらがよいか迷ってます。

    • にこまる より:

      ゆーゆ様、コメントありがとうございます。
      GLDMの経費率は0.18%/年ですので、個人的にはトラッキングエラーが生じる可能性も含め、保有期間中のコストは0.2%程度と考えておけばよいのではないかと思っています。
      なお、SBI証券の場合には、米国株購入手数料は0.45%(税込0.495%/上限20ドル(税込22ドル))みたいなので、新規購入分については(購入金額にもよりますが)初年度だけ0.6%くらいコストがかかるという理解でよろしいかと思います。

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