インデックス投資のデメリット

インデックス投資

今日はインデックス・バブルといわれるほど、隆盛を誇っているインデックス投資のデメリットについてです。

私はインデックス投資には主に下記4つのデメリットがあると考えています。

  1. 短期間で資産が大きく増えることは絶対にない
  2. 短中期的には多額の含み損を抱える可能性がある
  3. 投資対象を選べない
  4. 自分の能力・経験値が上がらない

それではそれぞれ解説していきます。

短期的に大きく資産を増やすことができない

インデックス投資を実行する前に必ず理解しなければならない点は、インデックス投資では短期的に資産を2倍、3倍にするようなことはできない、ということです。

個別銘柄では、数か月で株価が倍以上に上昇することも珍しくありませんが、S&P 500のようなマーケットを代表するようなインデックスに対して投資を行った場合には、このようなパフォーマンスを上げることは絶対にありません。

S&P 500を例にとると、 対象期間にもよりますが、 過去のパフォーマンスはおおむね7~9%程度ですので、個人の資産形成にあたっては、 信託報酬・売買手数料・税金を考慮し、S&P 500連動のETFや投資信託の期待リターンを5~6%程度で想定することが妥当かと思います。

なお、リーマンショック後の底値をつけた2009年3月から2019年12月までの約10年間でS&P 500は約3倍に上昇しており、年換算で約14%という歴史的なハイパフォーマンスを記録しています。

よく証券会社などで、この10年の米国株のリターンを見せて「ほら、だからあなたも米国株に投資を!」という感じの広告を見かけますが、どう考えても今後10年のリターンに直近10年と同水準を期待できないことは目に見えています。

私の尊敬するレイダリオ氏は今後10年程度の期間の米国株の期待リターンは4-5%程度と予測していますし、JPモルガンなども同程度の水準を米国株の期待リターンとして設定しています。

リーマンショック前の高値(2007年頃)から見ると、現在の株価は約2倍で、年換算のリターンは約6%ですので、2020年から先を見た場合の期待リターンとしては4-6%程度を想定するのが適当だと個人的にも考えています。

一時的に多額の含み損を抱えるリスクがある

インデックス投資では、短期的に大きく資産が増えることがないにもかかわらず、人によっては失神してしまうレベルの損失を一時的に抱えるリスクがあります。

過去の事例として、S&P 500を例にとり、2000年~2002年と2007年~2009年の下落相場で投資家がどれほどのダメージを受けたか、以下にまとめました。

2000年8月~2002年9月(ITバブル)

2000年8月28日 1,530.09

2002年9月30日  794.10 (-49.1%)

※ 2007年5月21日 1,530.09を回復

2007年~2009年(リーマン・ショック)

2007年10月8日 1,576.09 

2009年3月2日   666.79 (-57.7%)

※ 2013年4月8日 1,576.09を回復

これらの状況が引き起こす精神的ダメージをみなさんも想像してみてください。

2年以上にわたってどんどん含み損が拡大していき、 株価が直近のピークから4割程度まで下落してしまった状況でも積立投資を継続することができますか。

さらに言えばこの苦しすぎる状況のなかで投資を継続できたとしても、底値をつけてから直近の最高値を回復するにはいずれもその後4年以上の年月を要しています。

つまり、下落局面2年+回復局面4年=6年ほどの長期間に渡って、暴落前の株価水準に留まるということです。これはなかなかに苦しいものがあります。

インデックス投資は、こういった状況が起こることを理解したうえで、長期にわたり継続的にマーケットに資金を投じていく覚悟を持てる人以外には向きません。

なお、直近の米国株の好調ぶりに隠れ、あまり触れられることがありませんが、下記チャートのとおり、2000年~2010年の10年間のS&P 500のパフォーマンスはマイナスですので、期間としても最低15年以上は腰を据えて投資をする覚悟が必要と考えられます。

過去10年間株式市場が右肩上がりだったことから、市場には下落相場を経験したことがなく、自分の許容量を超えたリスクを取ってしまっている投資家が溢れていると思われます。

次回の下落相場で彼らが狼狽売りに走って大きな損失を出してしまうのではないかと、 個人的には憂慮しています。

投資したくないものまで投資させられてしまう

インデックス投資では、インデックスがカバーする銘柄や資産はすべて投資対象となります。

例えば日経平均連動のETFに積立投資をし始めたとしましょう。

その後、大手自動車メーカーで不祥事が発生し、株価が低迷するとともに、自動車産業はそもそも景気敏感株でボラティリティが高いので投資対象から外したい、とあなたが考えたとしても、それらの企業が日経225の構成銘柄に含まれてしまっている以上、投資対象から除外することはできません。

また、当初インデックスの構成銘柄をきちんと確認したうえで、納得して投資を開始したとしても、将来的な銘柄入替やウェイト変更で当初自分が望んだ投資とは、ポートフォリオの性質が変わってしまう可能性もあります。

特に銘柄の入れ替えについては、ジェレミー・シーゲル教授著「株式投資の未来」にて詳述されているとおり、インデックス全体のパフォーマンスを引き下げているという分析結果もあります。

これは特定の銘柄が、新たにダウジョーンズ平均やS&P 500のようなインデックスの対象になるときには、その前段階ですでに株価が上昇してしまっているか、成長期待からバリュエーションが高めになってしまっていることが多いからと言われています。

上述の欠点については、投資対象としたいインデックスの構成銘柄を個別に買い集めて、自前のインデックス・ファンドを組成することで解消可能ですが、実際には必要な資金規模と管理上の手間を考慮すると、現実的な解決策とは言えません。

自分の能力が結果に反映されない・経験値が上がらない

自らの資金を投じて投資経験を積み、書籍、ブログやセミナーで知識を蓄え、過去の自分よりも優れた投資家としての実力を身につけたとしても、投資対象が特定されているインデックス投資においては意味を成しません。

さらにインデックス投資を実行する際には、ドルコスト平均法によって積み立てていく方が多いと思いますが、これも一回証券口座で定期買付の設定をしてしまえば、その後は資金を切らさないようにするだけで、ほかに特にやることはありません。

投資に関する知識・経験を高め、洗練された投資家として、スマートに資産を形成するとともに、自らの知識経験を広めて世の中の役に立ちたいと考えている私のような向上心ある投資家にとっては、これは非常にネガティブな点です。

また、個別株の場合と異なり、インデックス投資をいくら実行したところで、そこから一投資家として学べることは非常に限られます。

インデックス投資では自分自身で何か判断・決断する必要はなく、ただ金融市場の成長を信じて資金を投じているだけなのですから、当たり前といえば当たり前です。

この点は、専門知識がなくても、一定の成果が期待できるというインデックス投資のメリットとのトレードオフともいえます。

ではインデックス投資はナシなのか?

では、資産を増やすのに時間がかかり、投資対象を自分で選別できず、経験値も上がらないインデックス投資はやめておいた方がよいのでしょうか。

私はそうは思っていません。

長期投資においては、ほぼ100%の勝率が期待できる投資方法として、インデックス投資は資金を投じる価値のある有力な投資戦略だと思っています。

私も実際に複数のETFを活用し、毎月、国際分散型の積立投資を実行していますし、今後も少なくとも一般NISAの非課税枠600万円が埋まるまでは、インデックス積立投資を継続していく計画です。

ただし、上記のデメリットから分かるとおり、インデックス投資はあくまで長期に渡って継続できることが大前提ですので、この点はしっかり腹落ちさせてから取り組むべきだと考えています。

本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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