本日は投資に際して一般的に意識される資産額ではなく、金融資産がもたらすキャッシュフロー(=配当金額)を意識して投資を行うことのメリットについて、語ってみたいと思います。
私自身も普段からポートフォリオが生み出すキャッシュフローにはかなり意識を向けております。
当ブログでも、金融資産額の目標は特に定めておらず、「オール・シーズンズ戦略」をベースとした安定性の高いポートフォリオを構築しつつ、年間CF250万円を目指すこととしています。
資産額だけに注目すると適切な行動がとれない可能性
資産額はマーケット次第で日々大きく増減します。
したがって、投資行動の成否を資産額のみで評価していると、市況がいい時には実力以上の成果が出て過信してしまったり、目先の資産額の増加を求めて近視眼的な思考に陥ってしまう可能性があります。
逆にマーケットがクラッシュした時には、賢明な投資行動を取っていたとしても資産額の減少は免れません。
個人的にはこのような状況が投資家の心理面に与える影響は大きいと思っています。
市況が良いときには過剰なリスクを取りやすくなり、逆に市況が悪いときには必要以上にリスク回避的な行動に走りやすくなってしまうからです。
本来であれば、株価が上がっている状況というのは、期待リターンが以前と比べて下がっているわけですから、慎重にならなければなりません。
逆に相場が低迷している時期には、期待リターンが高まるわけですから、苦しい状況の中でも一歩踏み出すと報われる可能性が高くなるわけです。
ですから、資産額(≒直近のパフォーマンス)に意識を向けすぎると、適切な投資行動から離れていってしまうリスクが高まるというわけです。
特に経験の浅い投資家ほど、正しいアプローチで資産形成を進めていたとしても、一時的なマーケットのノイズによって、自分を信じられなくなって投資行動を変質させてしまうリスクがあると思います。
正しいアプローチを継続するための基準が必要
では何を見ながら運用していけば、市場の動向に左右されることなく、しっかりと資産を積み上げていけるのでしょうか。
私のなかでは投資成果を配当金額で計ることが自分を正しい航路から動かさないために有用なアプローチだと思っています。
※ここでの大前提は配当金額を増やすためにポートフォリオの資産配分を変更しないこと
私の好きな投資の格言に「個々のディールの結果ではなく、自分が正しいことを行っているかどうかに集中しなさい」というものがあります。
インデックスファンドなどの適切な投資対象を定期的に購入しながら、資産配分にも注意してポートフォリオを構築しているのであれば、それは正しい投資行動がとれているということです。
そうであるならば、短期的な市況の影響に左右されない、より安定的でポジティブな要素に目を向けながら投資活動を行っていきたいと考えるのが普通だと思いますし、その観点から配当金額を確認しながら資産運用を行っていくことは有効なアプローチだと思います。
配当金なら加点方式で資産形成を捉えることができる
上述のとおり、配当金は基本的にかなり高い精度で予測することができます。
債券や優先株の配当金はほぼ変動しませんし、株式においても銘柄選定を間違えずにしっかりとした分散投資を実行すれば、配当金のぶれ幅はかなり抑えることができます。
つまり、適切な銘柄選定・分散投資を前提に配当金には一定の下方硬直性があると考えられるため、基本的に配当金額は資金を投下すればするほど増えていくということです。
資産額ベースで考えると日々の相場の変動によって、毎月の入金が相殺されて、資産額の増加につながらないどころか、入金額以上の損失を被ることも多々あります。
しかし、配当金額に目を向けてみると、今現在受け取っている配当金に、追加購入した株数分の配当がのってくることになりますので、確実にプラスの成果が得られます。
もちろん購入価格(=売買タイミング)も効率的に配当金額を増やす観点からは重要ですが、いずれにせよ、金融商品を追加購入すれば、確実に今よりも多くの配当を受け取ることができるわけです。
私はこのことが精神的な安定とモチベーションの維持に与える影響は意外と重要だと考えています。
タイミングを計りすぎて投資機会を逸することが減る
資産額ベースの発想がもたらす負の側面のひとつが「この株だいぶ安いけど、もっと値下がりして損したらどうしよう」と考えて、投資機会を逸することが多々あるということです。
配当金マインドを持てば、その銘柄を購入した瞬間に将来のプラスのキャッシュフローが約束されると考えることができるので、その追加のキャッシュフローに満足できるのであれば、躊躇せず投資を実行することができます。
私自身についていえば、高値掴みをして後悔することよりも、安値で入ることを決断できなかったことを後悔することの方が多いので、自分の性格上も配当金マインドを強めにもって投資判断を下した方がバランスの取れた決断ができると考えています。
毎月の楽しみが資産形成における好循環を生み出す
個人的には配当金に着目する最大のメリットは毎月の楽しみができることだと考えています。
一例として私が保有する債券ETFは毎月分配金を出してくれます。
毎月、月初に入金があり、これを確認することが自分が徐々に経済的自由に近づいていっていることを認識できる瞬間でもあるので、モチベーション維持において非常に大きな役割を果たしてくれています。
また、追加で資金を投下すれば、翌月には入金額の増加という形で即座に効果を感じることができるので、どんどん投資に対する意識が高まりますし、この意識の変化は家計管理などの面でも確実にプラスの効果を生み出します。
そして、これらが毎月の投資額とキャッシュフローの増加という好循環を生み出しはじめると、あとはそれをどれだけ長く高い水準で継続できるかでその人の経済状況が決まるということになります。
目標達成に向けて今後も楽しみながら取り組みたい
私自身の運用状況としては、2021年は1.2万ドルほどの配当金を受け取ることができました。
この金額は当初の想定を大きく上回っており、ある種のポジティブサプライズでしたが、目標とする年間250万円を達成するには配当金をここから倍増させる必要があります。
まだ道のりは長いですが、やるべきことをしっかりとやっていけば、遅かれ早かれ必ず達成できるはずなので、今後もしっかりと取り組んでいきます。
それまでの過程も楽しみつつ、このブログでも発信していければと思っています。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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