米国長期社債ETF・VCLTへの投資を検討すべき理由

オール・シーズンズ戦略

私は債券をポートフォリオのベースとする戦略を取っており、米国長期社債ETF「VCLT」がポートフォリオにおける最大の保有銘柄です。

VCLTは世界最大級の資産運用会社バンガード社が運用するETFで、投資対象は米国企業の長期社債です。

つまり、VCLTを購入すること=多くの米国企業の長期社債に分散投資すること、ということです。

本日はVCLTの過去のパフォーマンスや、ポートフォリオの概要について、語ってみたいと思います。

米国長期社債への投資だけで十分なリターンが得られる

結論からいえば、過去の米国長期社債のパフォーマンスは、それだけを保有していたとしても、十分なリターンが得られる魅力的な水準です。

ここからは、実際の過去の長期社債のパフォーマンスについて、以下の3つの点から確認していきたいと思います。

  • アセットクラスとしての米国長期社債のパフォーマンス
  • VCLTの設定来パフォーマンス(2009年11月~)
  • VCLTの分配金推移

米国長期社債の過去のパフォーマンスは低リスク中リターン

過去に当ブログでも紹介したPortfolio Visualizerというサイトを活用し、下記3つの資産クラスのパフォーマンスを比較してみました。

  1. 米国長期社債(Portfolio 1)
  2. 米国中期国債(Portfolio 2)
  3. 米国長期国債(Portfolio 3)

比較対象期間は1978年1月から2019年11月までで、40年以上のデータが取れました。

この間に数多くの暴落局面もあったことから、長期的な資産クラスとしてのパフォーマンスを見るには十分な期間の長さかと思います。

青線:長期社債  赤線:中期国債  黄線:長期国債

結果としては、中期国債の一人負けで、長期社債と長期国債のリターンはほぼ同じになりました。

ただ、この期間のリターンはほぼ同じものの、リスクは長期社債の方が長期国債より明らかに低いことが分かります。主な数字を下記表にまとめました。

  米国長期 社債米国長期 国債
年率リターン 8.59% 8.53%
標準偏差(リスク) 8.31% 11.05%
最高年間リターン 28.68% 47.10%
最低年間リターン -6.23% -13.03%
最大下落幅 -16.82% -23.12%
米国株式市場との相関係数 0.19 0.04

リスク、最低リターン、最大下落幅の数字は、いずれも社債が国債に勝っており、株式市場との低い相関による分散効果という面以外においては、社債の方が優れていると言えます。

まさにローリスク・ミドルリターンといえるパフォーマンスですね。

何より過去40年以上の歴史において、最もパフォーマンスが悪かった年がたったの-6.23%というのが素晴らしいです。長期国債の半分以下です。

株式なら-6%なんて誤差みたいなものですから、個人的にはこの程度の下落なら全くストレスになりませんし、いかに社債のパフォーマンスが安定しているかお分かりいただけると思います。

青線:長期社債  赤線:中期国債  黄線:長期国債

最後になりますが、上の表は各年の年間リターンを示したグラフです。

リーマンショックがあった2008年は、企業の存続リスクが意識される年でしたが、それでも長期社債は2.29%とプラスのリターンを記録したことが分かります。

私は上記リスク・リターンの観点と、この2008年のパフォーマンスから、長期社債をポートフォリオに加えるメリットを確信しています。

VCLTのポートフォリオの概要(2019年10月31日時点)

この優れたアセットクラスである長期社債に手軽に分散投資することを可能にしてくれたのが、我らがバンガード社のETF「VCLT」です。

VCLTは2009年11月から取引が開始されています。

過去10年間の実績がありますので、長期社債に期待されるようなパフォーマンスをVCLTが実際に出しているのか、のちほど確認したいと思いますが、まずはその前にVCLTのポートフォリオの概要から見ていきましょう。

安定的な高利回りを達成すべく、全体の残存期間を10~25年の間で維持する形で、投資適格社債に投資をしていく商品です。

直近12か月の分配金利回りは3.85%、構成銘柄が2,080、平均残存期間が23.7年、すべての組入社債が投資適格(格付Baa)以上となっています。また、経費率も0.07%と非常に低いです。

なお、社債の発行主は、70%近くがIndustrial(事業会社)で、金融機関(17.4%)と公益企業(12.2%)が続いています。

また、組入社債の残存期間では、全体の63.9%が20~30年の残存期間があり、残存期間が10年以下の社債は1.1%となっています。

ポートフォリオ全体の残存期間が24年近くあることから、金利変動による値動きが大きくなる点はリスクとしてありますが、それ以外は特段気になる点は見当たりませんでした。

VCLTの設定来リターンと分配金推移(2009年11月~)

続いてVCLTの実際の過去のパフォーマンスと分配金の推移について、見ていきましょう。

短期中期の社債や国債も含む、総合型債券ETFのTotal Bond Market ETF(黄色線)との比較では、VCLTが大きくアウトパフォームし、この10年で2倍以上に成長していることが分かります。

詳細なパフォーマンスについても、下記を見てみましょう(2019年9月末時点)。

この1年間のリターンが20.04%と異常に高いため、全体の数字も引き上げられている点には留意する必要がありますが、設定来(2009年11月19日)のリターンを見ても、税引前で7.95%と非常に高い水準になっています。

分配金の再投資効果を税引後で計算した場合でも、5.99%と長期的に見た株式のリターンと遜色のないレベルです。

最後にこれまでの分配金の推移を確認してみましょう。

出典:Morningstar HP

毎月1口当たり、0.30~0.34ドル程度の分配金を受け取ることができます。

過去5年の傾向としては、分配金は微減傾向ですが、これは現状の低金利下で新規に発行される長期社債の利回りが低下してきていることから、やむを得ない傾向であって、このETF自体に何か問題があるということではありません。

まとめ:VCLTは低リスクで安定したリターンが得られる

ここまでをまとめてみると、VCLTへの投資には下記のメリットがあります。

  • 低いボラティリティと安定したリターン
  • 毎月の分配金による高い複利効果

長期社債の過去40年間のパフォーマンスは非常に安定しており、ダウンサイドにも強いことが確認されています。

また、VCLTは購入した翌月からすぐ分配金を受け取ることができるため、その資金を再投資に回すことで、四半期や半年ごとに配当を出すETFに比べ、高い複利効果を実現することができます。

さらに言えば、買えば買うほど、もらえる分配金が翌月には増えるので、投資のモチベーションも保ちやすいです。

ポートフォリオに債券を組み入れることについては、賛否両論ありますが、個人的にはこれまで見てきたように、長期社債をポートフォリオに組み込むメリットは非常に大きいと考えています。

本日も最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

コメント

  1. ヒロ より:

    配当金目的で長期保有する前提で運用をするときには、元本が大きい場合(1億以上)米国長期社債VCLTだけでもそれなりの分配金を毎月得られると思いますがどうですか?
    それとも複数の資産クラスに分散するべきですか?

    • にこまる にこまる より:

      運用目的・期間・リスク許容度など、状況がよく分からないので何とも言えませんが、その金額を金融資産で運用するのであれば、私なら複数の資産クラスに分散したポートフォリオを構築します。

      分配金だけを考えると、VCLTの利回りは現状だと3%強だと思いますが、私のポートフォリオも同じくらいの利回りです。
      この場合、単一商品への集中投資から得られる3%の利回りよりも、広く分散したポートフォリオから得られる3%の利回りの方が遥かに価値があると思います。

      また、債券投資の場合、基本的には元本の成長を半分くらい放棄することになるので、その機会損失も考慮すると私なら株式を多少なり保有したいです。
      例えば、米国株ETFのVYMなら、かなり分散されているうえにVCLTと同じくらいの分配金が出て、かつ元本成長も期待できるので、私としてはVCLTよりもVYMの方が魅力的に感じます。

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