本日は直近で2021年の決算発表があったシェル(ロイヤルダッチシェルより2022年1月に社名変更)について、簡単にまとめてみました。
同社は2020年4月30日に1945年以降で初となる減配(しかも66%減という衝撃的な数字)を発表し、その結果、私のシェル株も半値以下になりました。
ただ、私はその後も復活を信じて、保有継続&買い増しを続けてきておりまして、シェルはある意味思い出深い銘柄とも言えます。
最近の同社は気づいたらいつの間にか社名からロイヤルダッチが消されていたり、それに伴ってティッカーシンボルも変わっていたり(RDS.B→SHEL)と、保有銘柄をきちんとモニタリングしていない私にはちょっとしたサプライズも提供してくれています。
ご案内のとおり、昨今の原油価格上昇の恩恵を受け、シェルの業績も好調ですし、CEO/CFOからは再びポジティブなメッセージが発信されております。
※本記事における円換算の数字は、1ドル=110円で計算しています。
※下記動画が今期のCEO/CFOプレゼンです。約12分の内容です。
ポイント①:2021年の業績は良好で財務状況も改善
2021年第4四半期の調整後利益は64億ドル(7,040億円)で、第3四半期から55%増という素晴らしい結果でした。
好調な業績を背景に、2021年の1年間で営業CFとして550億ドル(6.05兆円)を稼ぎ出しています。
2021年末時点での純負債額は530億ドル(5.83兆円)で、1年間で230億ドル(2.53兆円)も圧縮されました。
2021年は自社株買いの再開も発表されており、35億ドル(3,850億円)の自社株買いも実行しています。
2020年のコロナショック後に一度は地に落ちたシェルですが、2021年は復活の狼煙を上げる年になったのではないでしょうか。
ポイント②:2022年上半期だけで85億ドルの自社株買い
シェルは以前よりネットゼロカーボン・クリーンエネルギーへの業態変化を推し進めており、2021年には150億ドル(1.65兆円)の事業売却プログラムを実行しています(一部事業はまだ売却中)。
上記のとおり、業績自体が好調なうえ、この事業売却によって入ってくるキャッシュがありますので、それを原資に2022年上半期に85億ドル(9,350億円)の自社株買いを行うことが発表されました。
この85億ドルのうち、55億ドル(6,050億円)は米テキサス州西部とニューメキシコ州にまたがるパーミアン盆地の油田権益を同業のコノコフィリップスに95億ドル(1.05兆円)で売却した資金を活用する見込みです。
目安としてまずは第1四半期中に40億ドル(4,400億円)を上限に自社株買いを行うとしており、今後6ヶ月はシェルの株価には大きな追い風が吹きそうです。
ポイント③:2022年第1四半期に4%の増配
2022年第1四半期の配当を1株24セントから1株25セントに増配する方針が示されました。
今後も営業CFの20~30%を配当と自社株買いに回しつつ、年4%程度の増配を維持していく方針が掲げられています。
なお、直近の第4四半期では営業CFの111億ドル(1.22兆円)に対して、支払配当は19億ドル(2,090億円)となっています。
仮にこの水準のCFが維持された場合、111億ドル×20~30%(=22~33億ドル)が株主還元の原資とされることになります。
思ったほど上振れ余地はないようにもみえますが、第4四半期に平均80ドル程度だったブレント原油価格は直近では90ドルを超えていますので、今後の原油価格の動向次第ではより一層の株主還元が期待できるかもしれません。
しばらくは保有継続するつもりなので頑張ってほしい
かつての水準には及ばないものの、原油市場の回復を受け、以前の1/3になってしまった配当も思いの外早く戻してきてくれています。
株価も大きく戻しているので、私の保有株はすでに50%超の含み益に転じています。
昨年の記事では「うまく株式市場と原油市場のタイミングが合えば、今後4~5年のうちに配当込みでそれなりに利益を出してExitすることも可能だと思っている」と書いておりましたので、保守的な私の想定を遥かに上回る、有難い展開になっていると言えます。
ただのラッキーですね。
今のところは考えていませんが、もし売却するとすれば、累進配当政策を維持できずにもう一度減配する時か、コモディティ株の資産配分が上がり過ぎてリバランスする時、のふたつにひとつかなあと思っています。
いずれにせよ、今後しばらくは保有継続していくつもりなので、かつての高配当株の雄としてシェルには完全復活を遂げてほしいと願いつつ、陰ながら応援して参ります。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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