今日は私が実践する4つの投資戦略のうちのひとつ、成長株投資について、私のバイブルである「オニールの成長株発掘法」の内容とともに語ってみたいと思います。
- 成長株投資は資産拡大への近道
- 成長株投資のバイブルは「オニールの成長株発掘法」
- CAN-SLIMに基づいた銘柄選定からスタートしよう
- Current Quarterly Earnings=四半期売上・EPSの増加率
- Annual Earnings Growth=年間売上・EPSの増加率
- New Company/Product=革新的なサービスや製品の提供
- Supply and Demand=発行済株式数を加味した需給関係
- Leader or Laggard=市場先導株か出遅れ銘柄か
- Institutional Ownership=有力な機関投資家の株式保有
- Market Direction=株式市場の動向
- 成長株投資では何があっても損切りだけは徹底すべし
成長株投資は資産拡大への近道
現在、私は以下の4つの投資戦略をベース戦略として、投資活動を行っています。
- オール・シーズンズ戦略
- インデックス投資
- 高配当株投資
- 成長株投資
上記のうち、成長株投資以外の3つの投資戦略には共通する欠点があります。
それはいずれの方法も短期間で資産を大きく増やすことができない、ということです。
一方、成長株投資なら短期間で資産を大きく増大させることが可能です。
当面は、ベースとなる3つの投資戦略を実行することで、盤石なポートフォリオの基盤を築くことに注力していきますが、その後は一定額を成長株投資でのアクティブ運用に回し、最短で最高の成果を上げることを目指したいと思います。
万一、思わしい成果を上げられず、成長株投資で多少の損失を被ったとしても、残りのポートフォリオが安定的な収益を上げ、私を精神的にも経済的にも支えてくれるはずですので、成長株投資に充てる資金については、リスクを取ってハイリターンを目指していきます。
成長株投資のバイブルは「オニールの成長株発掘法」
個別株への投資によって最高の成果を目指す方法としては、成長株投資のほかにも、ファンダメンタルズに基づいたバリュー株や、チャートによるテクニカル分析、直近のイベントに基づいてトレードする手法など、無数の方法論があります。
しかしながら、私は過去の経験から成長株投資が自分には合っていると感じており、下記のとおり信頼のおけるバイブルも手元にあることから、成長株投資で最高の成果を目指すこととしています。
私の成長株投資のバイブルは、ウィリアム・J・オニール著「オニールの成長株発掘法」です。
同書に忠実に従ったスクリーニングを行い、スクリーニングを通過した銘柄を自らの知識と経験をもとに個別に分析したうえで、半年~1年以内に株価が1.5~2倍になり得ると判断した銘柄のみを投資対象としていきます。
上述の「オニールの成長株発掘法」は、それなりに値の張る書籍ですが、 私の場合は費用対効果は抜群でしたし、個人的にはインデックス投資によるパッシブ運用だけでなく、リスクを取って資産を大きく増やすことにチャレンジしたいと考えている方には非常におすすめしたい書籍です。
CAN-SLIMに基づいた銘柄選定からスタートしよう
「オニールの成長株発掘法」では、投資すべき成長株の特徴を「CAN-SLIM」という略語でまとめています。
オニール氏はこれらの条件に当てはまる銘柄が適切な買いのタイミングに達した時にのみ、株式を購入することを個人投資家に勧めています。
- C:Current Quarterly Earnings=四半期ベースの売上とEPSの増加率は十分か
- A:Annual Earnings Growth=過去3年間の売上とEPSの増加率は十分か
- N:New Company/Product=革新的な製品・サービスを提供しているか
- S:Supply and Demand=発行済株式数を加味した需給関係はタイトか
- L:Leader or Laggard=出遅れ銘柄よりも市場先導株が好ましい
- I:Institutional Ownership=優秀な機関投資家が株主になっているか
- M:Market Direction=相場全体として今は投資に適したタイミングか
それでは、それぞれの頭文字が意味するところをひとつずつ見ていきたいと思います。
Current Quarterly Earnings=四半期売上・EPSの増加率
直近の3~4四半期で、加速度的にEPS(Earnings per Share/一株当たり純利益)が伸びている銘柄のみ検討に値します。
EPSの増加率は、最低でも前年同期比で20%以上の伸びがなければ、不十分かつ、売上高も最低25%以上の伸びが必要とされています。
この水準を超えたところで加速度的にEPSが伸びてきていれば、なおよしです。
Annual Earnings Growth=年間売上・EPSの増加率
過去3年以上の期間にわたって、年間の売上・EPSが順調に伸びている銘柄のみ検討に値します。
オニール氏は、株を買うなら、過去3年連続でEPSが大幅に増加してきているうえで、最近の四半期でもEPSが加速度的に伸びている銘柄に必ず絞らなくてはならない、とアドバイスをくれています。
New Company/Product=革新的なサービスや製品の提供
オニール氏は、Nについては、Something Newという表現も使っており、新製品・業態・サービスに加え、株価が「新」高値を付けることもこの項目に該当すると述べています。
一例としては、iPhoneのような革新的な製品によって、既存の企業からマーケットシェアを奪っている企業に投資をすべき、ということです。
「新高値」については、同書にて解説されている買いのポイントが、基本的に新高値となっていることもあり、株式購入にあたっての重要なポイントのひとつとされています。
Supply and Demand=発行済株式数を加味した需給関係
同書では、発行済株式数とされていましたが、個人的には浮動株数と理解した方がいいと思っています。
単純に同じくらい有望な会社であれば、流通している株式数が小さな銘柄の方が、需給関係から大きな値上がりが期待できるというものです。
ただし、このような株(小型株など)は値上がり幅も大きくなりますが、同時に値下がり幅も大きくなることに注意しなくてはなりません。
Leader or Laggard=市場先導株か出遅れ銘柄か
オニール氏は、出遅れ銘柄を買ってはいけない、とアドバイスしてくれています。
基本的には、市場を先導してきたすでに株価が好調に推移している企業が更なる上昇軌道を描くところを捉えるのが「オニールの成長株発掘法」です。
先導株の概念については、レラティブストレングスという概念を使って同書内では説明されています。
Institutional Ownership=有力な機関投資家の株式保有
有力な機関投資家が全くその企業の株を買っていないようでは、あなたの判断は間違っている可能性があります。
理想的には2~3程度の有力なファンドなどが株式を保有している状態が望ましいです。
逆に機関投資家の保有割合が高すぎる銘柄については、その後の大規模な資金流入が見込めないことを意味しますので、その銘柄の購入は再検討した方がよいでしょう。
Market Direction=株式市場の動向
オニール氏は、主要指数の日々の株価と出来高をよく観察することや、上昇相場を先導してきた銘柄の株価に変調がないか、などを常に把握することでマーケットの方向性を掴むようにすべし、と述べています。
また、同氏はマーケット全体が天井を打ったと判断した際には、指値など入れずに、成行注文で即刻株式を現金化することを強く勧めています。
成長株投資では何があっても損切りだけは徹底すべし
同書では、CAN-SLIMに加え、無数の事例(実際の株価チャート)を基に適切な買いのタイミングや、出来高と株価の動きからどのように市場の動きを理解すべきか、なども解説してくれています。
「オニールの成長株発掘法」は個人投資家向けに書かれていることもあり、この本から学ぶことは非常に多いです。
個人的には、少なくとも買いのタイミングについては、 ファンダメンタルズとテクニカルの両面から、完璧に解説してくれていると思っています。
細かな点まで解説されていますので、この本に読めば、それなりの勝率が期待できる銘柄をうまく買うところまでは実行できると思います。
ただ、株式投資で最も難しいのは売りのタイミングです。
利食いにしても、損切りにしても、ここが多くの投資家がつまずくところかと思いますが、オニール氏はこの点も明瞭で20~25%での利食い、7~8%での損切りを勧めています。
投資において最も重要な点は「損切りはすべて自動的に素早く行い、一切の例外を認めないこと」です。
これは投資をしている人なら、誰でも知っていることですが、人間は実際に痛い目に合わないと分からないものです。
私自身もこの点を守れなかったことで、多大な損失を被った経験があり、単純ながらもこの規律を守って投資をすることの重要性を認識している次第です。
最後になりましたが、「オニールの成長株発掘法」では、業績に基づいたファンダメンタルズ分析と買いのタイミングを計るためのテクニカル分析の両方の要素がバランスよく満たされており、さらに買いよりも難しい売りのタイミングや考え方についてもよく触れられているため、本書に書かれていることを頭に叩き込んで投資に臨めば、初心者でもおかしなことにはならないと思います。
成長株投資で大きな利益を狙いたいと思われている方は、ぜひ同書を手に取ってみてください。
そして一緒に株式投資で人生を豊かにしていきましょう。
本日も最後まで目を通していただき、ありがとうございます。
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