【バリューvsグロース】割安株と成長株のどちらに投資すべきか?過去30年間の実績紹介!

インデックス投資

バリュー投資vsグロース投資は投資における永遠のテーマです。

この2つは基本的に相反するコンセプトに基づいた投資手法ですので、投資家によってスタイル(もしくは好みと言ってもいいかもしれません)が分かれると思います。

今年3月のコロナショック後は米国市場は大型のグロース株(GAFAMなど)が力強いパフォーマンスで市場全体を牽引する一方、バリュー株には出遅れが目立っています。

私自身はどちらかというと割安株投資の方に心地良さを覚えるタイプで、実際ポートフォリオにも個別の成長株は入っていないため、残念ながらS&P 500などの主要指数に対して、リターンは劣後しています(もちろんそれだけが理由ではありませんが)。

そのような状況のなか、割安株投資と成長株投資を考えるうえで参考になる興味深い記事を発見しましたので、こちらの内容をまとめて紹介させていただきます。

【参考記事:A 30-Year Look At Value Vs Growth

過去30年間の実績では割安株が若干優勢

先に結論を言えば、どちらかが一方的に優れているということはなく、かつその他すべての投資手法と同様にサイクルがあります

つまり、割安株の方が調子がよい時期もあれば、逆に成長株の方が素晴らしいリターンを記録する時期もあるということです。

ただ、客観的な過去の実績として1990年1月1日~2019年12月31日までの30年間では割安株に若干の優位性が認められます。

1990年1月1日に$10,000投資した場合、リターンが良かった順に下記の結果となりました。

  1. 中型割安株 $233,074
  2. 中型成長株 $223,882
  3. 小型割安株 $202,583
  4. 大型成長株 $188,430
  5. S&P500   $172,735
  6. 小型成長株 $164,887
  7. 大型割安株 $158,335
  8. 総合債券  $ 56,017
  9. 3カ月債  $ 22,537

上記から過去の傾向として割安株投資の方がやや優勢だったが、大型割安株は避けるべきだった、という教訓が得られるかと思います。

また、同時に中型株のパフォーマンスが全体的によかったという傾向も見て取れます。

※各カテゴリーのパフォーマンスは以下のとおり、インデックスと実在するファンドの平均を取る方法で測定されています。

  • 大型割安株=Russell 1000 Value IndexとMorningstar 大型割安株ファンドの平均
  • 大型成長株=Russell 1000 Growth IndexとMorningstar 大型成長株ファンドの平均
  • 中型割安株=Russell Midcap Value IndexとMorningstar 中型割安株ファンドの平均
  • 中型成長株=Russell Midcap Growth IndexとMorningstar 中型成長株ファンドの平均
  • 小型割安株=Russell 2000 Value IndexとMorningstar 小型割安株ファンドの平均
  • 小型成長株=Russell 2000 Growth IndexとMorningstar 小型成長株ファンドの平均

割安株の優位性はどの程度あったか?

ここからはさらに細かく、投資期間ごとに割安株の優位性がどの程度あったかを見てみたいと思います。

上記は、大型・中型・小型株ごとに1年・3年・5年・10年・20年の投資期間を取った場合、各カテゴリーで割安株が成長株のリターンを上回った年は全体の何%だったかを示しています。

全体的に投資期間が長くなるほど割安株の優位性が顕在化してくる傾向が見て取れます。

上記で一番右に表示されている小型株の場合、割安株が成長株を上回ったのは、投資期間が1年の場合(=30パターン)では40%、投資期間が3年の場合(=28パターン)では54%、投資期間が5年の場合(=26パターン)では58%、投資期間が10年の場合(=21パターン)では62%、投資期間が20年の場合(=11パターン)では100%、といった具体です。

しかし何といっても特筆すべきは投資期間を20年間取った場合です。

1990~2000年のどの年から投資を開始した場合でも大型・中型・小型株の全カテゴリーにおいて割安株のリターンが成長株のリターンを上回りました

したがって、過去30年間では、投資期間が20年以上の場合には割安株への投資が常に正解だったということです。

一方、投資期間が1~5年程度の場合には、割安株の優位性はほぼなく、むしろ成長株への投資の方が報われやすかったことも分かります。

過去5年間はグロースの全面勝利

とはいうものの、ここまで見てきたことは過去30年の出来事に過ぎず、今後もそうなるということでは決してありません。

実際に2008年のリーマンショック以降、潮目は変わっており、5年ごとの成績を見た場合、成長株は全カテゴリーで割安株を凌駕しています。

特に直近の5年間(2020年9月末までの5年間)の数字を見てみると、下記のとおりで成長株の圧勝です。

上表では各カテゴリーで時価総額の大きいETFをそれぞれ3つずつ選んで比較していますので、フェアな比較と言えると思います。

バリューETFは年率4.00~9.25%のリターンに留まりましたが、グロースETFは各カテゴリーで9.03~19.87%のリターンを記録しており、割安株を圧倒しています。

これを市場の構造的変化(=今後もグロース株の優位は変わらない)と捉えるか、サイクルの一環(=いずれ割安株がアウトパフォームする時期がまた来る)と捉えるかは人によるかと思います。

私は基本的には後者の考えでいますので、バリュー株のパフォーマンスがショボければショボいほど「今のうちに買っておかねば!」という気持ちになり、実際に気にいったバリュー株をちょこちょこ買っています(そして、目先のパフォーマンスは落ち込んでいます…苦笑)。

個人的には一度購入した銘柄は基本的にリバランス以外で売却するつもりはありませんので、たまにロイヤルダッチシェルやタバコ株などでやらかしつつも、成長株は基本的にCFを生んでくれないこともあり、今後もバリュー株ベースのポートフォリオを作っていくことになると思っています。

本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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