今回はバンガード社の記事とは関係なく、初心者が投資を始めるにあたって理解しておくべき基礎知識のうち、非課税口座に焦点を当てて記事にまとめました。
- リスクとリターンを理解する
- 適切な資産配分を決定する
- 非課税口座を活用する(一般/積立NISA, iDeCoなど)
- 通常口座を活用する(株式・債券・ETFなど)
- リバランスを実行する
まずは非課税枠を使いきるところから投資をはじめよう
最初に本日の内容を簡単にまとめておきます。
- まずは各年の非課税枠を使いきることを最初の目標とすべし
- NISA口座の非課税枠は種類に関わらず毎年必ず使い切るべし
- 個人事業主や老後に備えたい人は合わせてiDeCoも活用すべし
非課税口座①:一般NISA(非課税枠:年120万円×5年分=600万円)
一般NISAは簡単に言うと、年間120万までの投資に対しては値上がり益・配当金ともに税金が免除されるというものです。
株式等を年間120万円以上購入する方は絶対にNISA口座を開設して非課税枠を最大限活用してください。


現行制度は時限措置として2023年までとなっていますので、まだ一般NISAを活用していない人は2020-2023年の4年分480万円が非課税枠の限度となります。

私は下記の理由から現行の非課税口座ではこの一般NISAを最も好んでいます。
- 早期からまとまった金額を非課税で投資できる
- 売買のタイミングに制約がない
①早期からまとまった金額を非課税で投資できる
一般NISAでは若年期から最大600万円までの元手を非課税で運用することができます。
利益に対する約20%の課税が免除されることで初期段階での資産形成の速度を上げることができ、その複利効果が長期でもたらす影響は無視できません。
私自身も毎年120万円の非課税枠をインデックス積立投資で使いきるようにしており、制度上許される限りはロールオーバーして長期保有していく予定です。
②売買のタイミングに制約がない
一般NISAの場合、非課税枠を活用して購入した株式等は、いつ売却してもいいですいし、逆により長期で投資したい場合にはロールオーバーして、5年以上持ち続けてもよい制度となっています。
したがって、市場の動向や個々の経済状況に応じて非課税メリットを最大化しやすく、個人的には最も優れた制度だと考えています。
一般NISAは非課税枠もそれなりの規模で準備されており、使い勝手もいいので、すでに200-400万円程度を投資に回せる状況にある人は、一般NISAを活用して効率的に資産形成を進めていくことをお勧めします。
非課税口座②:積立NISA(非課税枠:年40万円×20年分=800万円)
「毎年120万円も投資に回す余裕なんてないよ…」と思ったそこのあなた。
これから資産形成を始める方にお勧めな制度が積立NISAです。
こちらは毎年の非課税枠は40万円と小さくなりますが、非課税期間が20年間と長期に及ぶため、全体の非課税枠は800万円と大きくなっています。
現時点では資産規模がそれほど大きくなく、「アーリーリタイヤなんて大それたことは考えていない」、「少しでも老後の不安を減らしたい」といったマインドの方にはこちらの方がフィットするかもしれません。

積立NISAの場合には対象となる金融商品を金融庁が審査しています。
よって、よく分からないままに初心者の方がぼったくり金融商品を購入してしまうリスクを排除することができます。
【金融庁HP】つみたてNISAの対象商品https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html
上記リンクにて詳細は確認いただけますが、私のように米国市場で直接好みのETFや株式を購入したい人は、積立NISAの恩恵を受けることはできませんので、そういう方は一般NISAを活用していきましょう。
非課税口座③:ジュニアNISA(非課税枠:年80万円×5年分=400万円)
ジュニアNISAは未成年名義の口座で年間80万円×5年分まで非課税で投資ができるものです。
一般NISAに近い制度ですが、一般NISAとは以下のような違いがあります。
- 非課税枠がちょっと小さい(120万/年 vs 80万円/年)
- 原則、子供が18歳になるまで払い出しできない
まあ1.についてはいいのですが、問題は2.の方ですね。
●ジュニアNISA口座における払出し制限
ジュニアNISA口座で保有する金融商品について、口座開設者本人である子や孫が、その年3月31日において18歳である年の1月1日以降には非課税で払出しができます。それ以前に引き出すと、原則としてそれまでの運用益に課税され、ジュニアNISA口座は廃止されることになります。
金融庁: 用語集 – https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/glossary/index.html#tab12-13
要は子供が18歳になるまでに売却してしまったら、何のメリットもない制度ということです。
仮に子供が0歳から4歳までの間に400万円を積み立てたとしたら、あとは18歳になるまで黙って待っとけ、という制度設計なのです。
ですので、ジュニアNISAは、ないよりはましなのですが、イマイチ使い勝手はよくないです。
個人的には払い出し制限を設けるなら、非課税枠も18年分にすべきだと思いますし、そもそも積立NISAを未成年に開放すればそれで済んだとも思うのですが、まあこの辺りは大人の事情なのでしょう…
非課税口座④:iDeCo(非課税枠:14.4万円/年~81.6万円/年)
最後にご紹介するのがiDeCoです。
これがベストフィットするのは、老後に不安を抱える自営業者やフリーランスの方々ですが、一般のサラリーマンにも非常にメリットのある制度となっています。
iDeCoのメリットは主に以下の3点です。
- 投資に回した金額がその年の所得から控除される
- 運用益が非課税で再投資される
- 受取時に年金もしくは退職金と同等の控除が受けられる
それぞれのメリットを一言で言えば以下のような感じでしょうか。
1.によって、iDeCoを活用して投資をすれば、現役時代の所得税と住民税が減らせます。
2.によって、複利効果を最大化できます。
3.によって、60歳以降に支払いを受け取るときにも大幅な節税効果を享受できます。
iDeCoは60歳になるまで掛金を拠出することができ、60歳以降に払い出しが可能になるのですが、はっきり言って老後の備えとしては最強のアイテムです。
興味がある方はiDeCoの公式サイトをぜひ見てみてください。
【iDeCo公式サイト】https://www.ideco-koushiki.jp/guide/
なお私は実質的なアーリーリタイヤを目指しているため、iDeCoのような払い出し制限のある制度は使っていませんが、一般論として言えば、みんなで大いにiDeCoを使って豊かな老後に備えるべきだと思います。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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