【2020年9月末】レイ・ダリオの最新ポートフォリオ【Form13F】

オール・シーズンズ戦略

私の尊敬するレイ・ダリオさんの9月末時点のポートフォリオが11月13日に公開されました。

前回の6月末からかなり興味深い変化が見て取れましたので、Form13Fの内容をまとめてみました。

2020年9月末時点での主な保有銘柄

ざっくり言えば、米国株が40%、ゴールドと中国株が20%ずつ、残りが中国以外の新興国株、先進国株、米国社債で占められている感じですね。

Form13Fのまとめサイト「WhaleWisdom.com」の情報をもとに保有銘柄の上位50位までをリストアップしてみました。

この上位50位で全体の83.0%がカバーされています。

※参考までに2020年6月末時点の情報も記載しております。

<今回:2020年9月末>

whalewisdom.comの情報より作成

<前回:2020年6月末>

whalewisdom.comの情報より作成

個人的に大きなサプライズだったのは、これまでグローバル・マクロのヘッジファンドとして(中国株を除いて)個別株にはあまり手を出さず、ETFベースでポジションを取るスタイルだったブリッジウォーターが、米国個別株をかなり積極的に活用するスタイルに切り替えてきたことです。

上位に入ってきた銘柄を見てみると、基本的には景気変動の影響を受けにくい業態の銘柄を選別して組み入れていることが分かります。

具体的にはウォルマート、コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、P&G、コストコ、アボット・ラボラトリーズ、スターバックスなどが組み入れられており、個人的にもこのようなアプローチに違和感はありませんし、真似しやすいコンセプトだと感じています。

なお、戦術的には上記のような変更があったものの、ポートフォリオの根幹をなすアセットやセクターのバランスに大きな変更はありません(が、金(ゴールド)の比率が若干下がり、中国株とウェイトが逆転した点には触れておきたいと思います)。

2020年7~9月に保有割合が上昇した銘柄

こちらが2020年7~9月に保有割合が増加した銘柄トップ5です。

米国個別株(ウォルマート、P&G、コカ・コーラ)、新興国株ETF、アリババがランクインしています。

この頃のレイダリオは特定のタイプの株式が債券の代替となり得るといった趣旨の発言をしており、これらの発言が指している銘柄が今回上位に入ってきた個別銘柄と見て、まず間違いないものと思われます。

2020年7~9月に保有割合が下落した銘柄

こちらが2020年7~9月に保有割合が低下した銘柄トップ5です。

当四半期の最も大きなポジション調整として、S&P 500連動ETFの持ち分を16%ほど落としています

前述の個別株の組み入れと合わせてみると、米国株についてはS&P 500の保有比率を下げ、その分を有望な個別銘柄に置き換えていることが分かります。

そのほかは中国株ETF(FXIとMCHI)、先進国株ETF(EFA)が比率を落としています。

前回よりも分析しずらい構成に…

9月末時点のポートフォリオですし、Form13Fですべてが分かるわけではありませんが、再現するとしたら、以下のような感じでしょうか。

  • 米国株  35.0%
  • 中国株  20.0%
  • ゴールド 15.0%
  • 新興国株 10.0%
  • 先進国株  5.0%
  • 米国社債  5.0%
  • その他  10.0%

米国株で個別株の比重が上がってきているので、前回よりも真似・分析がしづらくなってきていますが、基本的には前回同様、中国株とゴールド次第な感じですね。

今後もブリッジウォーターがどういったポジション調整を見せていくのか、3カ月ごとにモニタリングしていきたいと思います。

本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

コメント

  1. クギヌキ より:

    債権価値が下がっているので、金、株の比率を高めたいが、これだけの金融緩和の中、下落局面になったらかなりの下落があり得ると思ってます。
    自分もオールシーズンを参考にポートフォリオをくんでますが、にこまるさんはどう考えてますか?

    • にこまる より:

      個人的に金とコモディティはイケそうな気がしていますが、金はインカムを生まないこと、コモディティはボラが非常に大きいことから、オール・シーズンズ戦略を参考にしている現状の比率から大きく変更するつもりはありません。
      また、債券はアップサイドよりもダウンサイドが大きすぎると思っていますので、比率を落としたいと考えています。
      よって、必然的に株式の比率を大きく引き上げざるを得ないかな、と。

      具体的には、株式の比率は大きく上げるものの、個別株はなるべく避け、代わりに米国外も投資対象に含めたETFを活用することで、これまで以上に広く分散する形を取りたいと考えています。
      下落局面でのダメージは避けられないとは思いますが、ETFの場合は損切りする必要がないので、愚直にホールドし続け、運用期間を長くとることで乗り切っていきたいと思っています。

      この辺りの詳細は、IB証券への移行に合わせて、近日中に大きくポートフォリオを組み替える予定ですので、別途記事にまとめてアップしたいと思っています。

      • クギヌキ より:

        丁寧な返信ありがとうございます。
        アセットアロケーションの比率を変えるか、非常に悩んでいたので、考え方を参考に自分なりの比率を再考したいと思います。

  2. きんぞー より:

    昨日、2020Q4分のが公開されましたね
    ざっくり見たところ、ゴールド半減させて、
    WMTやPGなどの米個別を倍程度に増やしてますね。

    書籍のオール・シーズンズ戦略と構成がかなり異なってきて悩ましいです笑

    また記事上げてもらえるの楽しみにしてます

    • にこまる より:

      コメントありがとうございます。
      昨日出ていたの気づいていませんでした。ありがとうございます。
      今しがた記事あげました。大した内容ではありませんが、今後もお付き合いいただけると有難いです。
      よろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました