【債券ETF】配当3.4%!BNDXは先進国国債にドルヘッジして投資する債券ETF

オール・シーズンズ戦略

本日は主に先進国国債に米ドルヘッジをして投資する債券ETF「BNDX」について、分析・考察したいと思います。

BNDに代表される米国債券ETF、VWOBに代表される新興国債券ETFと組み合わせることで、全世界の債券に対して米ドル建てで投資することが出来ます。

主に先進国国債を投資対象とする債券ETF(米ドルヘッジあり)

BNDXは、主に先進国が発行する国債に米ドルヘッジをしながら投資する債券ETFで、直近12か月の分配金利回りは3.41%です。

先進国国債の利回りが軒並みマイナス圏に突入しているにも関わらず、ドル建ての利回りが3.41%とはやたら高いと思いませんか。

これは主に為替ヘッジに起因しています。

ざっくり言うと、為替ヘッジでは、対象となる通貨間の金利差がコストになります。

金利が安い通貨(たとえば円)ベースで、金利が高い通貨(たとえばドル)の為替リスクを抑えようとすると、コストが発生します。

下記ドル円の組み合わせでどちらの通貨でヘッジするかによって、ヘッジ後の利回りがどのようになるか、簡単な表にまとめてみました。

円でヘッジする場合ドルでヘッジする場合
投資対象通貨米ドル日本円
金利1.5%0.0%
ベース通貨日本円米ドル
金利0.0%1.5%
ヘッジコスト1.5%(=1.5%-0.0%)
⇒年1.5%のヘッジ・ロス
-1.5%(=0.0%-1.5%)
⇒年1.5%のヘッジ・ゲイン
債券表面利回り2.0%(ドルベース)0.5%(円ベース)
ヘッジ後利回り0.5%
(=2.0%-1.5%:円ベース)
2.0%
(=0.5%-(-1.5%):ドルベース)

上記の条件に基づけば、円建てで年利0.5%の債券とドル建てで年利2.0%の債券は同等の価値があることが分かります。

イタリア国債などはユーロ建てにも関わらず、現在でも1.3%程度の利回りがありますから、こういった低金利通貨の債券を米ドルヘッジすると、これから投資を開始したとしても、ドルベースで3%近くの利回りは確保できそうです。

ポートフォリオの概要(発行体、格付、経費率など)

上述のとおり、直近12か月の分配金利回りは3.41%で、経費率は0.09%と非常に安い水準になっています。

出典: https://www.morningstar.com/etfs/xnas/bndx/quote

次にポートフォリオの概要を見てみましょう。

組入債券数は6184と非常に多いですね。

デュレーションも8.1年と長すぎず、短すぎずといったところでしょうか。

投資対象国をみると、日本が全体の19.0%を占め、最大の投資先になっていますが、この点は全体の56.6%を占めるヨーロッパをベースに日本、カナダ、豪州などの先進国にバランスよく投資していると理解した方がいいでしょう。

最後に格付を見てみると、投資適格とされるBaa以上で100%占められています。

Aaa・Aaなどの高格付債券が、45%を占めており、これであれば、先進国債券に期待する高い信用度・低いリスクを取りにいくことができます。

参考までに格付の定義は以下のとおりとなっています。

出典: https://www.moodys.com/sites/products/ProductAttachments/MoodysJapan/ratingsdefinitions_msfj.pdf

最後に組入上位の銘柄ですが、10位まですべてドイツ、フランス、イタリアの債券が占めています。

出典: https://advisors.vanguard.com/investments/products/bndx/vanguard-total-international-bond-etf#portfolio

過去のパフォーマンスと米国債券市場との相関性

BNDXの過去のパフォーマンスは以下のとおりです。

2013年の設定来のパフォーマンスは、年率4.2%程度とまずまずですね。

出典: https://www.morningstar.com/etfs/xnas/bndx/quote

設定来の株価推移をみると、意外なことにじわじわと右肩上がりになってきていますが、これは下記の分配金の推移をみると納得できます。

出典: https://www.morningstar.com/etfs/xnas/bndx/performance

どこぞの増配銘柄かと思うほど、分配金が綺麗な右肩上がりを描いています。

これは上述のとおり、米国以外の先進国が長期的な低金利に喘いでいるなか、FRBの利上げの影響から、米ドルとその他の先進国通貨の金利差が拡大してきていることも追い風になっています。

目先ではBNDXの主要な投資先の欧州・日本ともに金利が上がる気配はありませんので、米国が更なる利下げに走らない限りは、短期的に分配金が大きく減ることはないものと考えられます。

結論:株式及び米国債券との分散効果を期待して債券ポートフォリオの主力候補として組み入れる

米国の金利上昇は、私が保有する他の米国債券ETFの価格を押し下げる効果がありますが、BNDXにおいては、上述のとおり、金利スプレッドの上昇はポジティブな効果がありますから、ポートフォリオの既存の債券ETFとの分散効果が期待できます。

また、ボラティリティの小さい先進国債券においては、通常の債券同様、株式との低相関性による分散効果も期待できます。

よって、通常の米国債ETFよりも高めの利回りも期待できますし、ポートフォリオの更なるDiversificationを図るためにも、BMDXのような優良ETFは積極的に組み入れたいと思います。

現状を踏まえると、時期をずらしながら、Max 10%くらいの感じで買っていこうと思っています。

これからもレイダリオ氏が投資で最も大事だと言っている「Well Diversified Portfolio」を構築しながら、長期投資に勤しむことで投資目標を達成していきたいと思います。

本日も最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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