本日は金価格に連動するETFとして、世界最大のETFであるGLDについて、まとめてみました。
GLDは金地金価格に連動する世界最大の金ETF
GLDは2004年11月にNYSEに上場し、その後、金地金価格に連動するETFとしては、世界で最も運用残高が大きいETFに成長しています。
現在では米国に加え、東証、シンガポール、メキシコ、香港にも上場しています。
米国でのティッカーはGLDで、東証では1326です。
なお、このETFは、バーチャルに金価格に連動させているわけではなく、実際に金地金の裏付けがありますので、金保管料などいろいろとコストがかかっています。
下記のとおり、HSBC Bankが金のカストディアン(保管機関)となっています。
上述のとおり、いろいろと手間がかかっているのは分かるのですが、経費率が0.40%とちょっと高めな点が気になります。
ただ、こちらについては、経費控除後のパフォーマンスを金地金価格の動向に一致させることを運用方針としており、実質的には投資家のパフォーマンスには影響が出ない形で運用することを目標としています。
この点については、のちほど過去のパフォーマンスを見ますが、実際にはベンチマークであるLBMA金価格に対して多少のラグは出てしまっています。
上表のとおり、純資産総額は約452億ドル(約4.9兆円)あり、出来高も平均で700万口/日くらいはあるので、流動性は心配なさそうです。
GLDの運用実績(価格推移、リターン)
それではGLDのこれまでの運用実績を見ていきましょう。
2004年11月から2011年頃までの右肩上がりがすごいですね。
現在は2013年頃から続いた長期のレンジ相場から上抜けしてきているような印象を受けます。
上記の株価チャートを見て分かるように、パフォーマンスは悪くありません。
2004年からの設定来で見れば年率8%ほどで、直近10年でも3%程度とポジティブです。
金価格とのラグも15年ほどの運用期間で0.4~0.5%であれば、人によっては許容範囲と言えるのではないでしょうか。
そもそもなぜ金に投資するべきなのか?
上述のとおり、GLDは金への直接投資の代替となる有力な投資手段であることは、疑う余地はありませんが、そもそも金への投資にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
この点は、レイ・ダリオ率いるブリッジウォーター社で、共同最高投資責任者を務めるボブ・プリンス氏がBloombergとのインタビューで以下のように語っています。
- 金価格は貨幣の価値を逆転させたもの
- 金はインフレ・ヘッジとして有効
- 危機発生時に金価格は上昇する
金価格は貨幣価値の逆という点では、世界中の中央銀行が貨幣を刷り続けている状況において、金価格が上昇していくことは必然であると考えられます。
また、同様の観点から、金は当然インフレヘッジとしても有効ですし、過去の歴史を見れば「有事の金」と言われるように、経済危機や武力衝突といった事態においても、金を保有していることは有効なリスクヘッジの手段となります。
これらの特性は、他のアセットクラスと異なることから、ポートフォリオのDiversificationを高める観点から非常に有効である、というのがレイダリオ氏が主張するところですし、私自身もそのように考えています。
皆様もまだ金を保有されていないようであれば、ご自身のポートフォリオを一度確認いただき、金の保有についても検討されてはいかがでしょうか。
以上、世界最大の金ETF・GLDについての考察でした。
本日も最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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