今回はこれから投資を始めようと思っている未経験者向けに、どのように投資を進めていくべきか、私の考えを綴ってみたいと思います。
なお、ここからの前提は、投資対象はドル建てになることと、毎月の家計がプラスであることです(金額の大小は問いません)。
残念ですが、毎月の家計がマイナスになっている人は、投資を始めるよりもまずは毎月の家計を黒字化させることに全力を注ぐべきです。
またここで紹介している内容は、あくまで最初のステップとしてのおすすめであり、このやり方をずっと続けていくべきといった性質のものではない点はご理解ください。
手元の投資資金は一旦債券にして、毎月の余剰資金をインデックス積立投資に充てる
結論としては、手元の投資可能資金は一旦すべて債券にして、毎月の余剰資金をインデックス積立投資に充てていくのが、投資経験のない人の初動としては無理がなくおすすめです。
具体的には下記の4つのETFから好みのものを選んで投資するのがおすすめです。
債券 | 株式 |
---|---|
BLV(長期国債) | VT(全世界株) |
VCLT(長期社債) | VTI(米国株) |
伝統的資産(株と債券)をベースに資産形成をしていくことが投資の王道ですし、遠回りのようで結局は近道になります。
投資経験が乏しい場合、まず債券と株式の両方を保有することで、それぞれの資産の特性を徐々に理解していくことができます。
特にどの程度の値動きが自分の精神にどの程度の影響を及ぼすかを理解することは、投資で失敗しないための重要な要素です。
最初は手堅くいきたいという方はBLV(長期国債)とVT(全世界株)の組み合わせがおすすめです。
一方、多少リスクを取ってもいいのでもう少し高めのリターンを狙いたい方は(といってもそこまで差はないですが)、VCLT(長期社債)とVTI(米国株)の組み合わせがおすすめです。
債券のメリットは安定収益+致命傷の防止
手元のまとまった資金を債券に換えるメリットは以下のとおりです。
- 債券ETFは毎月分配金が受け取れるため、モチベーションが保ちやすい
- 値動きが株式に比べて小さく、致命傷を負う可能性が非常に低い
まず一つ目の点についてですが、債券投資では毎月ほぼ一定額を受領することができます。
一般的にキャピタルゲインを合わせたトータルリターンでは、債券は株式に劣後しますが、もし債券から得られるリターンで十分満足できる人はそれ以上、リスクを冒す必要がありません。
こういった自分が求めるリターン水準を明確にするためにも株式と異なるアセットクラスへ投資をすることは意義があると言えます。
次に二つ目の点ですが、債券では値段が半分になるようなことはまず起きないため、投資を始めたばかりの頃に市場が暴落して資産の大半を失うといった最悪の事態を避けることができます。
このようにして市場に長くとどまるなかで、自分の保有資産から得られる実体験や、書籍・ブログなどからの勉強を通じて、知識と経験を高めていくことで、徐々に自分なりの投資スタイルが作り上げられていきます。
インデックス積立投資は株式投資の必勝法
インデックス積立投資は株式投資における必勝法のひとつです。
15年以上の長期に渡って実行することが出来れば(これが難しいのですが…)、まず間違いなく利益を出すことが出来ます。
過去10年間のように始めたタイミングがよければずっと黒字もあり得ます。
株式投資において頭に入れるべきは、個別株への投資が最も難易度が高い投資方法だということです。
したがって、上述のETFを活用し、全世界もしくは米国市場、いずれか全体に投資をすることをお勧めします。
いずれにせよ、投資を始めたばかりの段階では、積立金額も小さいため、含み損も益も大した金額にはなりません。
ここから徐々に株式特有の激しい値動きと対峙していくことで、徐々に自分の経済的・精神的なリスク許容度が分かってきます。
自分のリスク許容度が分かってくれば、あとはその範囲内で望むリターン水準を実現するために、どのように資産配分をしていくかを検討する、という次のステップに移っていくことになります。
なお、次のステップに移る際にもインデックス積立投資は継続することをおすすめします。
前述のとおり、この投資方法は長期に渡って継続することで真のパワーを発揮してくれるからです。
結論:一刻も早く勇気をもって一歩踏み出すことが何よりも大事
投資はとにかく早く始めることが大事です。
初期投資額よりも投資期間の方が遥かに重要なのです。
したがって、あなたがまだ投資を始めていないのであれば、今すぐ勇気をもって一歩踏み出してください。これは私と同世代の方々には特に強く言いたいです。
一般的な定年退職の年齢まで、私はあと30~35年程度ありますが、30年間の積立投資×複利の力は凄まじいものがあります。
毎月3万円を年利5%で30年間運用すると2,497万円になります。
毎月5万円を年利5%で30年間運用すると4,161万円になります。
毎月7万円を年利5%で30年間運用すると5,826万円になります。
このことを考えると、若くして正しい方法で資産形成を始めた人で、一定以上の年齢に到達したときに十分な資産がない人というのは、まず存在しないことになります。
アメリカやヨーロッパの先進国ではすでにこのことが広く理解されており、FIREムーブメントに代表されるように実際に若くして十分な資産を築いている人たちが数多くいます。
私は自分が生まれ育った日本にもそういう国になってほしいと思っていますし、むしろそうしないと、このままどんどんと日本が貧しくなっていってしまうという危機感も持っています。
そのために少しでも日本の金融リテラシーの向上と経済的な豊かさに貢献できればと思い、細々とですがこんなブログをやって情報発信をしていたりします。
上記の積立シミュレーションについては金融庁のウェブサイトにて誰でも簡単に確認できますので、ご自身の家計状況や目標に応じて、ぜひ色々とシミュレーションしてみてください。
十分な資産があれば人生の選択肢が大きく増えます。
資産形成にかかる時間もやり方によってはほぼゼロにすることができます。
ぜひみんなで正しい資産運用を通じて、豊かな人生を築いていきましょう。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
コメント
拝読し参考にさせていただいております。keisanというカシオの複利積立計算サイトだと税金の計算も出来るので個人的にはオススメです。
コメントと貴重な情報、ありがとうございます。今後の記事更新時の参考にさせていただきます!