私の愛するバンガード社のウェブサイトにて、初心者向けに投資の基礎知識がまとめられています。
こういったバンガード社の記事も参考にしつつ、初心者が投資を始めるにあたって理解しておくべき基礎知識を今後5回程度に分けてお届けしたいと思っています。
- リスクとリターンを理解する
- 適切な資産配分を決定する
- 非課税口座を活用する(一般/積立NISA, iDeCoなど)
- 通常口座を活用する(株式・債券・ETFなど)
- リバランスを実行する
投資の根本的な目的は保有資産の購買力を維持すること
ここからの内容をまとめると以下のとおりです。
- 価格変動を理解しよう:投資対象の価格は市況に応じて上下しますので、あなたの資産額も市況に応じて変動します(増えることもあれば減ることもあります)。
- 投資して多少リスクを取ろう:投資によってあなたの資産は成長する機会を得ることができます。うまくいけば時間が経過しても購買力を維持することが可能です。
- 資産配分の重要性を理解しよう:あなたがどの程度のリスクに晒され、どの程度のリターンを得るかは、ほとんど資産配分(株・債券・現金などの投資比率)で決まります。どの会社の株を買うかより、どのような資産配分を持つか、を決めることの方が遥かに重要です。
投資対象の価格は時間とともに上昇もすれば下落もする
もしA社の株式を保有したとすると、この株式の価格は時間の経過とともに上下します。
この価格変動は、A社の株式に対する市場参加者の需給バランス、経済環境、中央銀行の金融政策、市場金利やインフレ・デフレなど、様々な事象の影響を受けます。
もし価格が上昇すれば利益を得ることが出来ますが、価格は下落することもあるので、投資において絶対はありませんし、必ずうまくいくという保証もありません。
まずはこの投資の大原則を理解することが大事です。
投資の世界においては何が起きても自己責任なのです。
なぜ損をする可能性があるのにリスクを取るのか?
なぜ損をする可能性があるのに投資をするのかというと、価格が上昇する可能性があるからです。
当然ですね、そうじゃなきゃ誰も投資しませんから。
しかし、ここで重要なのは、もし価格上昇の速度が物価上昇の速度(=インフレ率)を上回ることが出来れば、あなたの資産は時間が経過しても購買力を維持できる、という点です。
一例として、あなたが1,000ドルを投資して10年間ほったらかしにした場合を考えてみましょう。
今後10年間の平均インフレ率を3%と仮定すると、現在の購買力を維持するためには、1,000ドルの投資は10年後には最低1,344ドルになっている必要があります。
もしあなたが1,000ドルを10年間現金でタンスにしまっていた場合、10年後には344ドル分だけ少ない物やサービスを購入することしかできません。
つまり、何もしないでいると現金は時間の経過とともに価値を失っていくので、そうならないよう投資して少なくとも現在の価値は維持するようにした方がいいんじゃないということです。
投資におけるリスクはほとんど資産配分によって決まる
基本的にはリスクを取るほど、大きなリターンを得られる「可能性」を手に入れることができますが、逆もまた然りで、リスクを少ししか取らなければ、大きなリターンを得られる可能性は低くなります。
ただ、このことは「高いリターンを得るにはリスクを取る必要があるので、最高のリターンを求めてより高いリスクを取るべき」ということではありません。
特に経験が浅い方ほど、投資によって得られるリターンにしか目が向かないと思います。
しかし、リスク・リターンという言葉に集約されるとおり、 投資においてリスクはリターンと同等に重要な要素です。
よって、自分がどの程度のリターンを得たいかを考えるのと同様に、自分がどの程度のリスクなら取れるかを考えなくてはなりません。
このどの程度のリスクなら取れるかを考える時に重要になる考え方が資産配分です。
詳細はここでは割愛しますが投資成果の80~90%が資産配分によって決まるという研究が複数なされています。
したがって、望む投資成果(リスクとリターン)を実現するためには適切な資産配分を決定する必要があります。
次回はステップ2として、この資産配分について、まとめてみたいと思います。
最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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