私は尊敬するレイダリオ氏の教えを基にポートフォリオの過半を債券に振り向けていますが、最近ふと思ったことがあります。
「これ、金利上昇して債券価格下がったらやばいんじゃない?」
私が投資している債券ETFの大半は性質上、株式のように半分にまで価格が下がったりするものではありませんが、如何せんポートフォリオ全体に占める割合が大きいため、それなりの金額の含み損を抱える可能性があります。
本日は、この債券投資・金利上昇への懸念に対する有効なヘッジ策となり得る「金融株(銀行・保険等)」について、語ってみたいと思います。
金利が上昇すると債券だけでなく株価も下がる
債券ベースのポートフォリオの困ったところは、金利上昇局面に非常に弱いところです。
金利が上昇すれば、当然、債券価格は下落します。
問題は、金利の上昇はそのまま割引率の上昇を意味することから、基本的にすべてアセットクラスの現在価値(=価格)を押し下げてしまうことです。
つまり、金利が上昇するとまず確実に債券価格は下がり、同時に株式を含むすべてのアセットクラスの価格も下落してしまうということです。
これは困ってしまいます。債券も株式も全滅ということです。
レイダリオ氏の提唱する「オールシーズンズ戦略」の肝は、どのような状況でも利益を上げられるポートフォリオを構築することですから、このように特定の状況に対して脆弱な状態は解消しなくてはなりません。
したがって、基本的に全滅が予想される金利上昇局面において、良好なパフォーマンスが期待できるアセットをポートフォリオに組み入れる必要があり、この解決策のひとつとなり得るのが、銀行に代表される金融株ということです。
金利上昇の恩恵を受けるのが金融株
基本的に金利が上昇すると、銀行や生保などの金融機関は利ザヤが稼ぎやすくなりますので、収益性の向上が期待されます。
よって、金融株は金利上昇局面において、買われやすく、株価の上昇が期待できると言えます。
しかしながら、株式市場は理論どおりには動かないことも多いので、念のため、直近の株価チャートを見て確認してみましょう。
なお、個別株特有の事情による株価の変動をなるべく排除するため、個別銘柄ではなくバンガード®・米国金融セクターETF・VFH(ローソク足)と、米10年債の利回り(紫線)を比較してみます(出典:Investing.comより作成)。
どうでしょうか。特に赤丸で囲んだ部分で十分な相関性が垣間見える気がするのは私だけでしょうか。
もちろんリーマンショックのような非常事態においては、このような値動きは全く期待できませんが、このまま米国経済が好調を維持し続け、ポジティブな形での利上げ局面が訪れた時には、金融株が一定の役割を果たすことが期待できますね。
債券のリスクヘッジとしてなら金融株は少額で十分
私の尊敬するレイダリオ氏は「株式には債券の3倍のリスクがある」と言っています。
これが意味するところをやや乱暴に解釈すると、債券価格の変動に対するリスクヘッジとしてなら、金融銘柄は保有債券の3分の1程度保有すればよい、ということになります。
したがって、保有する債券と同額の金融銘柄をポートフォリオに組み入れる必要は全くありません。
個人的にはポートフォリオに占める債券の割合が50%程度だとすると、リスクヘッジとしての金融銘柄は5-10%程度で十分だと思っています。
これ以上金融銘柄へのアロケーションを増やしてしまうと、保有株式内における比重が金融株に寄りすぎるか、もしくはポートフォリオ全体に占める株式の割合が大きくなり過ぎてしまうと考えられるからです。
結論:先進国の金融銘柄を組み入れることにしました
ここまで見てきたとおり、私は債券ベースのポートフォリオにおいて、金融銘柄を意図的に組み入れることには、非常に意味があると考えています。
2019年12月時点での私のポートフォリオでは、①債券の比率が60%を超えていること、②積立インデックス投資における先進国への比重が低いこと、の2点から、先進国の金融銘柄をチェリーピックして組み入れることとしました。
具体的には、ADR銘柄のHSBC(英・香港)とウェストパック(豪銀)の2銘柄をまずは組み入れたいと思っています。
両銘柄とも配当利回りが非常に高く(ともに6%超え)、ADR銘柄で現地源泉徴収税もないことから配当金への大きな貢献が期待できます。
また、分散投資の観点からも、先進国へのアロケーションを高められ、かつ利率の異なる複数国の銀行を買っていくことは望ましい行動だと考えています。
ただ、両銘柄とも高配当株として非常に有名ですし、銘柄選定においては特段目新しいことがなくて恐縮です。
しかしながら、投資において最も重要なのはアセットアロケーションですし、この点においては一般的な個人投資家とは異なる特色を出して頑張っていますので、銘柄選定については大目に見ていただけますと幸いです。
そのうち、HSBCとウェストパックについても記事にまとめたいと思います。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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