株式市場の暴落に対する考え方・対策・対応について

オール・シーズンズ戦略

本日は投資における最大のリスクである株式市場の暴落について、以下の3点を熱く語ってみたいと思います。

  • 市場の暴落に対する考え方
  • 来るべき暴落への対策・備え
  • 暴落時に取るべき対応・行動

暴落は来ないでほしいと思っていても、いつか必ず来ます。

近年の米国株式市場のように相場が上昇すればするほど、「もっとリスクを取っていれば、もっとリターンが出せたのに!」と思い、よりリスクを取りたくなってしまうものです。

しかしながら、リスク管理なき運用の行きつく先は、下落局面での大損失しかありませんので、常に先を見据えた賢明な投資をしていくことが大切です。

皆さんも「自分は下落局面への備えがしっかりできているか」という点につき、今一度、ご自身のポートフォリオを見直してみてください。

暴落はチャンスであるとともに真の実力が露になる

市場の暴落は、その後の回復局面で資産を大きく増やすチャンスであるとともに、その投資家の真の実力が明らかにされる機会です。

You only find out who is swimming naked when the tide goes out.(潮が引けたとき、初めて誰が裸で泳いでいたかが分かる)

私の好きなバフェットの言葉のひとつです。

市況が悪くなった時、それまで愚かな運用方法を取っていた者が明らかになる、という意味で私は理解しています。

市況が良いときは誰でも利益を上げられます。

上昇相場においては、基本的に大きなリスクを取った人ほど、大きなリターンを得ることが出来ます。そして、株価の下落局面まではそのような人たちがもてはやされるでしょう。

一方、リスク・リターンの視点を持ち、真に分散投資の意味を理解して投資をしている投資家は、上述のようなリスクを取りまくる投資家並みのリターンを上げることはできませんので、基本的に上昇相場において、日の目を見ることはありません。

しかし、一旦暴落が起きると状況は一変します。非常によい例の1つがレイダリオ氏です。

レイダリオ氏の地位を確固たるものとしたのは、彼の会社が運用するファンドがリーマンショックの発生した2008年に10%以上のリターンを記録したことです。

この年にそれまで裸で泳いで高いリターンを出していた者たちが市場からいなくなり、逆に彼がいかに賢明な運用をしていたかが世に知れ渡ったのです。

私も現状のマーケットを見ながら、債券をベースとするポートフォリオを構築していますので、株式市場が好調なうちは、目を引くようなリターンを記録することはないと思っています。

しかし、そう遠くない将来に訪れるであろう下落局面において、これから述べるような対策や対応が功を奏し、大きく資産が増えることを期待し、その時を待っています。

暴落に対する備えとして債券や金などの安全資産を保有すべき

私の主張はシンプルです。債券や金などの安全資産を一定程度保有すべき、ということです。

具体的に何をどの程度保有すればよいか、というのは、その人の投資目的とリスク許容度によって異なってきますので、一概には言えませんが、私は平時においてはポートフォリオの50%以上を債券で保有することとしています。

この点については、別記事にて解説していますので、興味がある方はこちらの記事もご覧ください。

債券は、株式との相関が低く、かつ値動きも株式より小さいため、株式が大きく下落している場面においても、株式に比べ、大きなダメージを受けなくて済みます。

暴落時に取るべき行動は株式の追加購入ですが、これには追加的な資金が必要です。

いつ来るかわからない(ひょっとすると今後何年も先まで来ないかもしれない)暴落局面まで、この追加購入資金を現金で保有しておくことは機会損失の観点から賢明とは言えません。

むしろ、レイダリオ氏のオール・シーズンズ戦略に代表されるように、どのような局面においても大きなダメージを受けることのないようなポートフォリオを構築しておき、いざ暴落が発生したら、例外的にポートフォリオ内の資産配分を変えることで対応すべきです。

上記の考えに基づき、私は暴落時に現金化することを前提に債券に資金を振り向けています。

現金を債券に変えて持っておくことで、毎月分配金を受け取りながら、暴落が起きるのを待つ、と言ったイメージです。

こういったバランスを取ることをせず、目先の高いリターンを求めて、株式100%のポートフォリオを組んでいると、いざ暴落が起きて明らかな買い場が訪れた時に、保有する株式も暴落してしまっているため、追加資金を捻出できず、その後の株価回復時の恩恵を受けることができません。

資産を増やしていくためには、下落相場のあとの回復局面を逃してはいけません。

33%下落した株価が元に戻るには50%の株価上昇が必要です。

50%下落した株価が元に戻るには100%の株価上昇が必要です。

株価が元に戻る過程でこれだけ大きく資産を増やすことができるので、下落相場への対応をあらかじめ想定した運用が長期的には報われることになります。

暴落時には複数回に分けて債券から株式への資金移動を行う

これまで見てきたような対策を取っていることが前提ですが、暴落相場に遭遇した場合、複数回に分けて債券などの安全資産を売却し、株式に資金を振り向けることが賢明です。

大前提として、個人投資家がマーケットのタイミングを計ることは不可能であり、そもそもそのようなことは試みるべきではありません。

ただし、リーマンショックやITバブルのような誰の目にも明らかな暴落が発生した場合については、その例外だと考えています。

この場合でも、マーケットの底を当てることは不可能ですが、その後、一時的な損失拡大に耐えることさえできれば、大きな成功を手に入れられる確率が非常に高いからです。

したがって、株価の下落率に合わせて、債券を少しずつ売却していき、株式を買い増す方法が賢明だと私は考えています。

株価が15%下落するごとに手持ちの債券を25%ずつ売却し、株式を購入すると、株価が60%下落したタイミングで債券がゼロ、株式100%の状態になりますので、個人的にはこれが一つの目安かなと思っています。

リーマンショック時の瞬間最大風速がマイナス60%ですから、仮にこれ以上、相場が下落したとしても、すでに暴落中に仕込んだ株式が相当な高利回りになっていることが想定されますので、株価が低迷するなかで粛々と配当金を再投資に回していけばいいという考えです。

実際に株価が低迷する期間が長いほど、配当金再投資のパワーは大きくなり、最後の上場局面で大きな恩恵を受けることができます。

また、一般的に株式には増配傾向がありますので、暴落局面で仕込んだ株式たちが将来購入価格に対して信じられないような高利回り銘柄になってくれるという楽しみもあります。

皆さんも目先の利益を追い求めすぎず、バランスのよい運用を心掛けることで、長期的に資産を形成していきましょう。

それでは本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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