【モメンタム】MTUMは値上がり中の銘柄で構成される米国株ETF【グロース】

成長株

先日、スマートベータについてまとめた記事をアップしました。

上記の記事をまとめるなかで、モメンタムETFが面白そうだという印象を持ちましたので、今回はモメンタムETFで最大のAUMを誇るMTUMについてまとめてみました。

モメンタムETFに投資する意義

そもそもなぜモメンタムETFへの投資を検討するのかですが、主に下記の2点が挙げられるかと思います。

  1. 超過リターンの期待
  2. 市場ベータとの低い相関性

それぞれの要素を簡単に見てみたいと思います。

1.超過リターンの期待

これまでの研究の結果、株価の動きは完全なランダムウォークではなく、短期では『モメンタム』が存在し、長期では『平均への回帰』が認められることが分かっています。

つまり、短期的にモメンタムが認められる銘柄に乗り、その銘柄のモメンタムが失われたら、波乗りのように次のモメンタム銘柄に乗って、と繰り返せば、市場平均を上回れる可能性があるということです。

詳細は後述しますが、MTUMも少なくとも今までのところ、設定来で市場平均(S&P 500)を上回っています。

2.市場ベータとの低い相関

モメンタム・ファクターは、市場ベータや他のスマートベータ・ファクターとの相関係数が低い(もしくはマイナス)ことが知られています。

上記の研究では、モメンタム・ファクターの平均リターンは市場ベータを上回りつつ、市場ベータとの相関係数がマイナスと試算されています。

したがって、この傾向が今後も継続するならば、モメンタムETFを組み入れることは全体としてポートフォリオのリスクを抑えつつ、絶対リターンを向上させる効果があるものと期待されます。

MTUMの基本情報

MTUMの経費率0.15%とモメンタムETFとしては最安クラスです。

これよりも低い経費率のモメンタムETFもありますが、AUMが違い過ぎて、出来高がやや不安になるレベルだったりしますので、基本的にはモメンタムETFはMTUM一択かと思います。

下記のとおり、モメンタムETFのなかでは経費率・AUMともにMTUMが完全に頭一つ抜けた存在です。

設定日は2013年4月16日で8年ほどの運用実績があり、純資産額は1.4兆円規模です。

資産規模的には機関投資家のお金もしっかり入っている規模なので安心してよいかと思います。

構成銘柄数は125となっていますが、このETFの特徴は直近の6カ月及び12ヶ月の価格変動をベースに構成銘柄を選別しているところです。

詳細はMSCI Momentum Indexes Methodologyで確認できますが、ざっくりまとめると以下のような流れで組入銘柄を決定しています。

1.直近1ヶ月を除く6ヶ月間(1-7ヶ月前)の株価リターンを計算

2.直近1ヶ月を除く12ヶ月間(1-13ヶ月前)の株価リターンを計算

3.上記2つにボラティリティを加味したうえで、均等に重みづけしたスコアを算出

4.スコア上位銘柄で母集団の時価総額30%程度をカバーするように組入銘柄を決定

5.上記基準に基づく銘柄入替と各銘柄の組入比率が5%以内になるようなリバランスを年2回、5月と11月に実施

MTUMの場合、母集団は米国市場の時価総額の約85%をカバーするMSCI USA Indexで、米国の大型・中型株をカバーするインデックスとなります。

したがって、米国市場全体から考えると、時価総額の25% (=80%*30%)程度をMTUMでカバーできるという想定でよろしいかと思います。

MTUMのセクター比率と上位銘柄

MTUMのセクター別構成比は以下のとおりです。

ITとConsumer Discretionaryで60%以上を占めており、基本的に今を時めく米国IT企業たち次第という構成ですね。

具体的な構成上位銘柄は下記のとおりです。

上記50銘柄で全体の81.6%を占めています。

上位の銘柄を見ると大型テック銘柄が多く、個人的にはほとんど組み入れられていない銘柄群ですので、既存のポートフォリオとの補完性は高そうで好意的に見ています。

MTUMのトラックレコードと株価推移

MTUMの設定来のパフォーマンスをS&P 500(SPY)と比較してみました。

【2013年4月16日~2021年3月26日】

オレンジがS&P 500、青がMTUMです。

上記の期間では2017年辺りからMTUMがS&P 500を大きく上回っていることが分かります。

この期間ではS&P 500もかなりいいパフォーマンスを記録していますが、MTUMはそれを明確に上回っており、今後もこれが継続されるのか非常に興味深いですね。

なお、各期間ごとのリターンは以下のとおりです。

青:MTUM 赤:S&P 500

2017年・2020年のパフォーマンスの差が大きく、これが設定来リターンの差につながっていることが分かります。

なお、MTUMは分配金は四半期ごとに出していますが、直近12ヶ月の実績では1%を切る水準ですので、インカムは期待できないと割り切って投資すべきかと思います。

結論:最近グロース株は停滞気味なのでいい買いのタイミングか?

個人的には既存のポートフォリオにほとんど含まれていないので、グロース株の動向はあまりウォッチしていませんが、このところは一時の勢いは失われ、株価は全体的に軟調かと思います。

一方、S&P 500は最高値を更新したところで、マーケット全体にエクスポージャーを取りにいくよりはグロース株などのように目先で低迷しているところに多めに張っていきたい気も致します。

昨年のグロース株のパフォーマンスが凄かったので、今年は停滞するタイミングなのかもしれませんが、長期的に見て、モメンタムETFはポートフォリオのリスク調整後リターンを改善してくれそうな気がするので、そのうちMTUMを購入したいと思います。

本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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