私の尊敬するレイ・ダリオさんが創業したブリッジウォーターの2023年9月末時点のポートフォリオが11月13日に公開されました。
最新の内容を踏まえ、前回記事にまとめた6月末からの変化や、直近のポートフォリオ構成から私が感じたことなどをまとめてみました。
2023年9月末時点での主な保有銘柄
今回は過去最高の上位600銘柄を確認しました。
上位600銘柄でポートフォリオの99.56%がカバーされています。
2023年9月末時点のポートフォリオの資産配分は以下のとおりでした。
- 米国株 83.9%
- 新興国株 7.1%
- 中国株 4.7%
- 先進国株 1.9%
- 米国債券 1.4%
- 米国REIT 0.6%
- その他 0.5%(保有比率601位以下の銘柄など)
前回は上位100銘柄が全体の80.2%を構成していましたが、今回は77.0%でした。
上位250銘柄は、前回は全体の93.3%を構成していましたが、今回は91.4%となりました。
上位500銘柄は、前回は全体の99.0%を構成していましたが、今回は98.6%となりました。
したがって、前回よりも上位銘柄への集中度合いが下がり、より分散が効いたポートフォリオとなっています。
<今回:2023年9月末>
<前回:2023年6月末>
大分類では、主に米国個別株や中国株の比率が上昇しましたが、新興国株ETFや米国REITの比率が若干低下しました。
ゴールドについては、1年ほど前には1.6%ほど保有していましたが、今四半期で全売却となりました。
上位500銘柄のセクター別比率を見てみると、比率の大きい順にConsumer Staples 26.0%、Health Care 17.8%、Consumer Discretionary 14.5%となっており、この3セクターで全体の58.3%を占めています。
前回集計から、Consumer Staples/Health Care/Consumer Discretionaryで、それぞれ▲1.0%/▲1.5%/+1.2%の変動となりました。
上記の数字は個別銘柄のセクターを集計したものですので、全体の18.0%がETFや601番目以下の銘柄で占められていることには注意が必要です。
上位3セクター以外で目立った動きがあったところとしては、Information Technologyが+1.0%(5.0%→6.0%)、Energyも+1.1%(1.7%→2.8%)と比率が増加しています。
Energyについては、上位600位の新規銘柄に占める当該セクター銘柄の数が多かったこともあり、今四半期は意図的にEnergyセクターへの投資比率を上げたことが読み取れました。
なお、大きく比率を下げたセクターは上述のConsumer Staples/Health Care以外には特にありませんでした。
2023年7~9月に保有割合が上昇した銘柄
こちらが今四半期に保有割合が増加した銘柄トップ5です。
1位のシュルンベルジェはエネルギー関連の企業です。
世界120ヵ国以上でエネルギー業界に対する最先端なデジタルソリューションや、革新的な技術を提供する技術サービス企業で、世界最大のオイルフィールドサービス会社(同社HPより抜粋)です。
2位のブロードコムは半導体デバイスの開発、設計、販売を手がける企業です。
前身(社名変更前)のアバゴ・テクノロジーズが2016年、ブロードコム・コーポレーションを買収・事業統合したのに伴い、ブロードコムの名称を引き継いだため、Ticker symbolと会社名にミスマッチが生じていますね。
3-5位はネットフリックス、メタ、シスコシステムズといずれも米国と世界を代表する大企業がランクインしています。
なお、メタは前四半期には保有割合が低下した銘柄ランキングの3位でしたので、今四半期でポートフォリオ内での地位をいくらか回復しています。
2023年7~9月に保有割合が下落した銘柄
こちらが今四半期に保有割合が低下した銘柄トップ5です。
1位がジョンソンエンドジョンソンです。言わずと知れたヘルスケアセクターの巨人ですね。
2位が新興国株ETF、3位はビザ、4位がスターバックス、5位がS&P500ETFとなっております。
なお、比率は下がったものの、これらの銘柄はいずれもポートフォリオのTop20に入っています。
各銘柄のポートフォリオにおける保有割合は以下のとおりです。
SPY:2.57% / 8位
JNJ:2.56% / 9位
VWO:1.42% / 12位
SBUX:1.40% / 13位
V:1.18% / 17位
昨年来大きな変化がない状況が続いている
今回の内容を踏まえ、簡易的かつなるべく忠実にブリッジウォーターのポートフォリオを再現するとしたら、以下のような感じになろうかと思います。
- 米国株 84%
- 新興国株 7%(除く中国)
- 中国株 5%
- 先進国株 2%(除く米国)
- 米国債券 1.5%
- 米国REIT 0.5%
前回からの変化は、先進国株の比率が若干高まった一方、米国REITの比率が若干下がったくらいで、ほとんど変化はありません。
上記の資産配分ですと、先進国株・米国債券・米国REITのリターンに対する影響はほぼありませんので、より単純化した下記の資産配分でほぼ同等の運用結果が得られるかと思います。
- 米国株 (VTI) 85%
- 新興国株 (VWO) 15%
この2銘柄からなるポートフォリオで代替可能な状態は長らく続いています。
とは言え、いつ何時どのような変化が起きるか分かりませんので、今後もできるだけこの定点観測を続けていきたいと思います。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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