【コモディティ】連続増配17年&配当5%超!バンジ(BG)は世界4大穀物メジャーの一角

オール・シーズンズ戦略

私はレイ・ダリオ氏の推奨する「オール・シーズンズ戦略」を実行するにあたり、コモディティのエクスポージャーを同分野の企業の株式で代替することとしています。

コモディティと言えば、石油やガス、鉄鉱石や銅といった天然資源のほかに、農作物の大豆やトウモロコシ、小麦などが代表的なものです。

本日は、この穀物分野をカバーし得る銘柄として、穀物メジャーの一角を占めるバンジ(Ticker: BG)についてまとめてみました。

穀物メジャーとは

穀物メジャー(こくもつメジャー)は、ダイズトウモロコシコムギをはじめとする穀物の国際的な流通に大きな影響を持つ商社群。1990年代には、五大穀物メジャーにより世界の穀物流通の70%が扱われた。

Wikipedia

一般的には下記の4社の頭文字をとり「ABCD」と称されるようです。

  • A:アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(Archer Daniels Midland)
  • B:バンジ(Bunge Inc.)
  • C:カーギル (Cargill Inc.)
  • D:ルイ・ドレフュス(Louis Dreyfus Corporation)

上記4社のうち、カーギルとルイ・ドレフュスは上場していないため、我々個人投資家が投資可能な銘柄はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドとバンジとなります。

BGの起源は1818年にオランダで設立された貿易会社

バンジ(Bunge)は、1818年にオランダ・アムステルダムでバンジさんがはじめた輸出入会社が基になっています。

その後、非上場企業としての長い歴史を経て、2001年にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場を果たしています。

ビジネスモデルとしては、同業のADM同様、主として農作物の保管・流通・加工の部分を担うことで利益を出していく商社的な感じなのですが、BPとバイオ燃料のJVをブラジルでやってりもしています。

正直、近年の業績はイマイチで、特に上記事業部門のなかのSugar & Bioenergyが見事に足を引っ張っています。

なお、2018年には同業のADMが、BGを買収すべく交渉を行いましたが、結局は成立しませんでした。

BGの業績推移(売上・利益)

まずは近年の業績推移です。ここからのグラフはMorningstarの情報を基に作成しています。

同業のADMと比較すると、営業利益率はやや低く、直近の2019年は営業利益・純利益ともにマイナスに転落しています。

出典:https://investors.bunge.com/sites/bungeltd-ir/files/events/1Q20-earnings-presentation.final.pdf

一時期よりはパフォーマンスが改善されてきていますが、いまだに投下資本収益率(ROIC)がWACC(資本コスト)を下回っている状況が続いています。

教科書的に言えば、リターンが資本コストを下回るということは、企業価値が失われていっていることを意味しますので、近年の株価低迷にも納得です。

BGのEPSと配当の推移

 次にEPS(1株当たり利益)と配当の推移を見てみましょう。

一株配当は2010年の0.88ドルから2019年には2.00ドルと2.27倍になっており、年平均成長率に換算すると9.6%というナイスな数字となっております。

しかしながら、業績の安定性・配当性向・近年のキャッシュフローを見るに、今後もこの傾向を維持できるのだろうかと個人的には心配しております。

上表は配当と自社株買いを合わせた総還元性向の推移を示しています。

過去5年間の平均配当利回りが2.78%なのですが、直近で株価が激下がりしたため、現在は5.47%という高利回りになっております。

フリーCFに乏しいため、近年は自社株買いは行っていませんが、過去5年間の平均総還元率は3.83%となっています。

BGのキャッシュフロー(営業CF・資本的支出・フリーCF)

年度ごとのバラツキが非常に大きい点と、ここ2年の営業CFがマイナスな点が気になります。

下記を見ても、近年本業からキャッシュを生み出せていないことが分かります。

出典:https://investors.bunge.com/sites/bungeltd-ir/files/news-and-events/events-and-presentations/presentation/q4-2019-presentation.pdf

BGの自己資本比率と財務指標(Current/Quick Ratio)

自己資本比率は30%台で維持されており、Current/Quick Ratioともに近年、大きな変化はありません。

BGの株価チャート

2020年5月8日時点の株価チャートです。

上場して20年近く経ちましたが、現在の株価は当初のちょうど2倍になっています。

2007年8月~2020年5月 紫線:ADM ロウソク足:BG

2007年8月からの株価推移を同業のADMと比べるとよく分かります。

ADMはリーマン前とほぼ同水準の株価を維持しており、2007年8月と比べると現在の株価は10%ほど高い水準にあります。

一方のBGは、2007年の水準を一度も回復することなく、2007年8月と比べると現在の株価は▲57%と著しく下落しています。

BGの現在の株価は36ドルを少し上回る水準です。

結論:同業のADMと比較するとBGはやや劣ると言わざるを得ない

個人的には近年の低迷期を担ってきた現経営陣が状況を好転させるのはなかなか難しいのではないかと感じています。

株価も低迷していますし、BGを買うのであれば、2018年のADMのようにどこかの会社がBGの買収を仕掛けることも期待しつつ、キャピタルゲイン狙いの投資になるでしょうか。

個人的には穀物メジャーであれば、素直にADMを持っておけばいいかなと感じました。

以上、穀物メジャーのBGについてでした。

最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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