【配当8.3%!】アルトリア・グループ(MO)は圧倒的な高配当を誇る米国のタバコ最大手

連続増配株

魔の高配当(8.3%超!)を誇るアルトリア・グループ(Ticker: MO)を最近購入しました。

配当利回りを見ただけで手を出してはいけない雰囲気を感じてしまいますが、実際のところはどうなのか、圧倒的な高配当を誇るMOについてまとめてみました。

MOはマールボロを売っているアメリカのタバコ最大手

MOはフィリップモリスUSAを核とする米国の業界最大手です。

マールボロに代表される主力事業のタバコに加え、米国でトップ10に入るワイン会社(Ste. Michelle)、ビール世界最大手のAB InBev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)の株式やカナダの大麻企業(CRONOS Group)の45%なども保有しています。

日本で圧倒的市場シェアを誇るIQOS(の米国ライセンス)も有しており、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(Ticker: BTI)、フィリップ・モリス(Ticker: PM)と並び、米国市場に上場している三大タバコ会社のひとつの地位を占めています。

斜陽産業のイメージの強いタバコ産業ですが、MOは長期の成長戦略として下記の3点を掲げています

  1. 既存のタバコ事業の収益最大化
  2. 非燃焼タバコ事業の成長
  3. 多様な収益源の確保と強固な財務体質の維持

米国企業らしく株主還元の意識も高く、下記のとおり、素晴らしい株主還元の実績を誇ります。

直近5年間(2015~2019年度)の実績で年平均増配率10.7%・支払配当金$25bn(約2.6兆円)・自社株買い$7bn(約7,350億円)と素晴らしい数字が並びます。

なお、コロナ禍にも関わらず、直近で増配を発表しており、2019年8月→2020年7月で2.4%の増配となっています。

MOの業績推移(売上・利益)

まずは近年の業績推移です。ここからのグラフはMorningstarの情報を基に作成しています。

売上高は200億ドルをやや下回る水準(≒2兆円)ほどで、営業利益は毎年綺麗な右肩上がりを描きつつ、2019年には100億ドル(≒1兆円)の大台を超えました。

2019年は純利益がマイナスになっていますが、これはMOが35%を保有するJUUL(電子タバコで米国シェア1位)の減損によるものです。

MOは2018年12月にJUUL株の35%を128億ドル(約1.3兆円)で取得しましたが、2019年に二度の減損損失を計上し、通年で86億ドル(約9,000億円)もの評価損を計上しました。

その結果、下記のとおり、2019年はJUULの減損だけでEPSが4.60ドル削られました

コロナの影響をもろに受けている2020年ですが、下記のとおり、上半期は順調な業績推移を見せており、営業利益率とEPSも対前年比で伸長しています。

また、年初のガイダンスからは下方修正となりましたが、下記のとおり、現時点でも2020年の予測EPSは、2019年と同等以上(+0~4%程度)が見込まれています

MOのEPS(1株当たり利益)と配当の推移

 次にEPS(1株当たり利益)と配当の推移を見てみましょう。

ざっくり言えばフリーCFをそのまま配当に回しているような感じですね。

出典:Morningstar HP

上表は配当と自社株買いを合わせた総還元性向の推移を示しています。

2013~2017年までの配当利回りは3.5~4.8%程度で推移していましたが、2018年は6.07%、2019年は6.57%と、株価低迷と連続増配の同時発生により、近年は著しく高配当化しています。

なお、過去10年間(2010~2019年)の配当実績は以下のとおりです。

 平均配当性向:76.6%

 年平均増配率:9.4%

  累計増配率:2.25倍(2010年→2019年)

MOのキャッシュフロー(営業CF・資本的支出・フリーCF)

タバコ産業の先行きについては、様々な意見があると思いますが、このCFを見ても当面は潤沢なCFを生み続けてくれるだろうと個人的には期待しています。

訴訟等でがっつりキャッシュをもっていかれるリスクは当然あるのですが、事業そのものから生み出されるCFの安定性が非常に高いことは今回のコロナ禍でも実証されました。

MOの株価チャート

2020年7月31日時点での株価チャートです。

2017年6月に過去最高値の77.79ドルをつけてからは見事な右肩下がりで、現在では41.15ドルと47%も株価は下落し、2014年と同水準まで下がっています。

これだけ株価が下がれば、バカ高い配当利回りになるのも分かります。

結論:タバコ銘柄への集中は避けつつ、一定程度保有したい

中長期的な成長性は置いておいて、直近の状況だけ見ればコロナ禍でも業績を落とさずに増配を維持しているMOを保有することはありだと考えています。

個人的にはすでにタバコ銘柄としてBTI(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)を保有していますので、タバコ銘柄が全体に占める割合が高くなりすぎないよう注意しつつ、インカムゲイン狙いで適度に組み入れていきたいと思っています。

BTI(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)とPM(フィリップ・モリス)についても別途記事にまとめていますので、興味のある方はこちらもご覧ください。

本日も最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました