私の尊敬するレイダリオ率いるブリッジウォーター・アソシエイツはこのところ、中国株のウェイトを大きく引き上げています(詳細は下記記事をご参照ください)。
私自身は最近は連続増配株に凝っておりまして、よさげな銘柄をせっせこ買い集めていたのですが、ちょっと米国株の比率が上がり過ぎているなと感じ始めておりました。
なので、私も中国株ETFを使って中国へのエクスポージャーを上げよう!と思いまして、中国株ETFを調べてみましたので、本日はその内容を簡単にまとめました。
SBI証券で購入できる中国株ETFは3つ
SBI証券で米国に上場している中国株ETFでスクリーニングをかけると下記のとおり、8つのETFが出てきます。
これらのうち、Direxionシリーズは全てレバレッジ銘柄ですので、これらを除くと現在SBI証券で購入できる中国株ETFは下記の3つです。
Ticker | 名称 | 運用会社 |
---|---|---|
FXI | iシェアーズ 中国大型株 ETF | ブラックロック |
CXSE | ウィズダムツリー 中国株ニューエコノミーF | ウィズダムツリー |
CNXT | ヴァンエック ベクトル 中国AMC中小企業ETF | ヴァンエック |
ちなみにSBI証券で取り扱いのない銘柄も含め、中国株ETFの資産額順に並べると下記のとおりです(ETFdb.comより)。
FXIは2番目に資産額が大きいメジャーな中国株ETFでレイダリオのポートフォリオにも含まれています。資産額は34.8億ドル(約3,650億円)ほどで十分な規模を有していることが分かります。
CXSEの資産規模は4億ドル(約420億円)ほどで、FXIの1/9ほどしかありませんが、全体では9番目にランクインしており、中国株ETFのなかではそこそこのポジションにいることが分かります。
一方、CNXTは現時点で資産額が0.4億ドル(約45億円)ほどしかなく、全体でも20番目とかなりマイナーなETFとなっています。
各銘柄の基本情報
下記にて、各銘柄の基本情報をまとめました。
概要の部分で簡単で触れておりますが、それぞれの特徴を記してみたいと思います。
FXI
香港市場に上場している時価総額上位50社の株価をトラックするインデックスに連動しています。
シンプルで分かりやすく、かつ大企業が多いので配当利回りも比較的高いのですが、懸念点は香港市場に上場していない大手中国企業はカバーできないということです。
例えば米国ADRであるJD.comやBaidu.comなどはFXIには含まれていませんし、本土株(上海・深圳の上場株)も対象外となっています。
あとは経費率が0.74%と高く、個人的には許容範囲を超えているので、ちょっとFXIを使うのは難しいかなと思っています。
CXSE
こちらはウィズダムツリーの商品ということでアクティブ運用要素が含まれつつ、中国株ETFとしては良心的な経費率設定(0.32%)となっています。
政府の保有比率が20%を超える銘柄をState-owned Enterprise(国有企業)と定義し、この条件に当てはまる銘柄は自動的にインデックスから除外されます。
また、米国ADRや中国本土株も投資対象に含まれており、上述のJD.comやBaidu.comなどのADRに加え、本土株のJiangsu Hengrui Medicineなども含まれており、FXIよりも中国株全体を捉える形をとっています。
イメージとしては、ADRや本土株、香港株の主要銘柄を全部集めてから、国有企業を外したETFといったところでアクティブ運用にやや近いスマートベータ型ETFと言えるかと思います(各銘柄のウェイトや中小型株をどこから外すかはWisdomTreeの判断なため)。
CNXT
こちらはなかなかエッジの効いたETFです。
深圳市場にはSME Board(中小企業板)というのがあり、ここの時価総額上位100社に投資をするというものです。
SBI証券経由で中国の中小型株にまとめて投資したい場合にはこちらのETFを活用することになるでしょう。
現状、非常にニッチなセクターを対象にしていることもあり、あまり資金が集まっていないようですが、今後どうなるかですね。なお、経費率は0.65%となっています。
<参考:中国株ETF 経費率>
参考までに先ほどのETFdb.comから経費率のランキングも掲載しておきます。CXSEの経費率が良心的であることが分かるかと思います。
各銘柄のセクター比率と構成上位銘柄
2020年9月末時点の各ETFのセクター別構成比は以下のとおりです。
FXI
FXIは時価総額ベースで銀行が大きいことからFinancialsの比率が高くなっています。
CXSE
CXSEでは新興企業の多くが占めるConsumer Discretionaryや通信・IT関連の比率が高くなっています。
CNXT
CNXTはITとHealth Careが上位を占めており、対象となる企業群がFXIともCXSEとも違うことが見て取れます。
次に2020年9月末時点の各ETFの構成上位銘柄を見てみましょう。
FXI
1位のMeituan Dianpingでも9.15%と一桁台ですが、上位10銘柄の合計は57.3%となっています。
CXSE
こちらはアリババとテンセントで全体の27%近くを占めていますが、上位10銘柄の合計は51.9%とFXIより若干低くなっています。
CNXT
上記2銘柄と比較するとCNXTが最もバランスがよく、1位はLuxshare Precision Industryの5.77%、上位10銘柄の合計は32.8%となっています。
各銘柄のトラックレコード
2015年1月~2020年9月の各銘柄のパフォーマンスは以下のとおりです。
この期間を見るとCXSEのひとり勝ちです。CNXTは安定感がないものの、直近ではCXSEと同等の高パフォーマンスでFXIを抜き返しています。
各年のリターンとKey Metricsは以下のとおりです。
2017年はどのETFも好調ですが、CXSEは80%を超えるリターンを叩き出しています。
また、この2年間もCXSEはそれぞれ38%、36%のリターンを記録しており、運よくこのような波に乗ることができれば、ポートフォリオに分散効果をもたらしつつ、高いリターンも享受できることが分かります。
なお、米国株との分散効果という観点ではCNXTの相関係数が0.46と最も低くなっており、FXI/CXSEはそれぞれ0.61/0.64とほぼ同じ相関性となっています。
結論:私はこの3つならCXSEに賭けてみたい
国有企業を外すというコンセプト、ADRや本土株を含めて主要銘柄を全て含んでいる点、0.32%という中国株ETFとしては低い経費率、ハマった時の爆発力を考慮すると、私は中国株ETFはCXSEに賭けてみたいと思っています。
ただ、さすがにこの2年間のパフォーマンスが良すぎて、今このタイミングで入るのか!?と躊躇してしまう気持ちがあることも事実です。
全般的に中国経済や中国株については私は知識不足ですし、特に本土の企業については英語で原典となる資料(Annual ReportやInvestor Presentation)や報道などの情報に触れることが難しい点もあります。
とは言っても中国への投資は、私の投資戦略からすると10~20年スパンで考えてマストかつ報われる可能性が高い判断だと思っていますので、勉強しながらタイミングを見て取り組んでいきたいと思います。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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