【ゴールド】2020年第3四半期の最新動向【金需要】

オール・シーズンズ戦略

ゴールドの業界団体であるWorld Gold Councilが四半期ごとに金需要の動向についてレポートを出しています。

本日は最新の2020年第3四半期の内容を簡単にまとめてみました(元記事は下記リンク)。

【Gold Demand Trends Q3 2020】https://www.gold.org/goldhub/research/gold-demand-trends/gold-demand-trends-q3-2020

2020年第3四半期の金需要は892.3トン(前年比19%)と大幅減

2020年第3四半期の金需要は892.3トンで前年同期比19%減となりました。

2020年第1四半期から第3四半期までの9か月間の数字を見ても、2,972.1トンで前年比10%減となっています(年初から9か月間の過去のデータは下記グラフ参照)。

上半期よりはペースは落ちたものの、金ETFへの資金流入は続いており、金ETFは273トンの金を積み上げています。

結果、金ETFが保有する金の3,880トンと過去最高を更新しました

にも関わらず、全体としての金需要が減少しているのは、ご想像のとおり、Covid-19の影響により、実需が冷え込んでいるからです。

それでは各セクターの動きを下記で見て参りましょう。

宝飾品の需要は引き続きかなり低調

宝飾品(ジュエリー)の需要は過去最低だった第2四半期よりは改善したものの、前年同期比で29%減と引き続き大きく落ち込んでいます。

引き続き都市封鎖(ロックダウン)や、金価格の高騰から業者の買い控えも起こっています。

結果として、第3四半期の宝飾品分野の金需要は333トンとなっています。

インゴットや金貨の需要は急増

対照的にインゴットや金貨(Gold Bar/Gold Coin)への投資は急増し、上半期で前年比49%増の222.1トンとなりました。

ヨーロッパやトルコでは現物投資として、金貨への投資が一般的とのことで、金貨の需要が大きく伸びたことによるものです。

なお、前述の金ETFは2020年に入ってからの9か月間で1,003.3トンもの金を積み上げており、金への投資需要が実物・金融商品の両面で強いことが分かります。

中央銀行は今四半期は売り越しに転じる

各国の中央銀行の金の売買動向は12トンの売り越しとなり、今四半期はポジションを減らしました。

この売り越しはほぼ2つの中央銀行(ウズベキスタンとトルコ)によるものです。

したがって、全体の傾向としては、ほぼすべての中央銀行は引き続き少額の金の購入を継続している状況です。

工業分野の需要は弱含みも改善の兆しもみられる

次に工業分野の需要ですが、こちらは前年同期比で6%減の76.7トンとなりました。

とはいうものの、第3四半期中にはいくつかの主要国・都市でロックダウンの解除・緩和措置が取られており、今後の改善が期待されているところです。

2020年の金の供給量は1,223.6トンで前年比3%減

最後に供給サイドの状況ですが、年初からのCovid-19の影響もあり、供給量は前年比3%減の1,223.6トンにとどまっています。

ただ、都市鉱山等からのリサイクルによる金の供給量は前年比で6%増加しており、Covid-19の状況によっては今後採掘量が増加してくる可能性もあります。

とはいうものの、ここまでの金需要が3,000トン近いことを考えると、需要と供給の差は大きく、金が如何に貴重な(=量的に制約のある)投資対象かが分かります。

まとめ:金に投資をするならGLDMかGLDがおすすめ

ここまでをご覧になり「私も実際に金に投資してみたい!」という方は米国市場で取引されている金ETFのGLDMもしくはGLDMを購入することをお勧めします。

各ETFの特徴は以下のとおりです。

一言で言えば、GLDが世界最大のゴールドETF、GLDMが最安コストのゴールドETFと言ったところでしょうか。

私自身は経費率が低いことと、最低取引金額が小さいことから、GLDMに投資しています。

以上、最近の金市場の動向についての考察でした。

本日も最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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