本日は長期投資において根幹をなす「市場に居続けること」の重要性について語ってみたいと思います。
私の愛してやまないバンガード社のウェブサイトにて、同趣旨の優良なコラムが掲載されていますので、興味がある方はこちらも参考にしてみてください。
高パフォーマンスの数日を逃すとリターンは著しく低下する
2000年から2018年にかけて、S&P 500インデックスは、複利ベースで年率4.86%のリターンを実現しました。しかし同期間中で最もリターンの高かった10日間を除くと、S&P 500インデックスの年複利リターンはわずか1.10%です。最もリターンの高かった25日間を除けば、年複利リターンは-2.43%になります。
終わりのない弱気相場はない, 25 October 2019 – バンガード社HP
上記が示すことは、特に株価の下落局面でよくみられる大幅反発の日を数日逃すだけでリターンが著しく低下するということです。
約20年という運用期間のうち、たった10日を逃すだけでこれだけパフォーマンスに差が出てしまうので、いつ来るか分からない大幅高の日を逃さないためにも常に市場に居続けることが非常に重要になってきます。
したがって、株価が下落し始めたからと言って、ポジションを手仕舞い、様子を見ていると、こういった高パフォーマンスの日を逃すことにつながり、長期的なリターンが大きく棄損される可能性が高まります。
もちろん投資戦略によっては機動的な売買が肝となる場合もありますが、当ブログでは長期的かつ安定的な運用を志向する方を対象としていますので、このような長期投資家にとっては市場の変動に反応した保有資産の売却は全く不要な行動となります(リバランスは除く)。
長期的に市場に居続けた投資家は必ず報われる
1980年~2018年の世界の株式市場において、20%以上株価が下落した弱気相場は8回あり、弱気相場の期間は最も短いものだと2か月、最も長かったものだとITバブル後の30か月とかなり幅があることが分かります。
注目すべきは弱気相場のあとの上昇相場の期間と上昇率です。
リーマンショック後を除けば、いずれの場合でも上昇相場は弱気相場以上の期間は継続して直近の下落幅をリカバリーしています。
なお、これは何もしない場合のシミュレーションですので、実際には下落局面でも買付を継続し、買付単価を下げていくことで、株価が元に戻った時には以前よりも大きく資産を増やすことができます。
したがって、下落相場においても資産は売却せず(=市場から退場せず)、定期的に資産を購入していくことが中長期的に資産を増やしていくためには最も重要です。
下落相場&リカバリーのサイクルで特に力を発揮するのは高配当株
下落局面における買い増しとその後のリカバリーで特に力を発揮するのが高配当株です。
無配の成長株などでは、株価が下落しても追加の購入原資を別に手当てする必要がありますが、高配当株においては下落局面においても同銘柄の配当金を原資として株数を効率的に増やしていくことができます。
したがって、安定的な配当が見込める長期増配もしくは累進配当銘柄を購入し、下落局面でも粘り強く買い下がっていくことで、回復局面で著しいリターンが期待できます。
また、そういった銘柄は市況回復後には増配も期待できますので、長期的には金の卵を産むニワトリとして、我々の懐に配当金をザクザク運んできてくれることでしょう。
長期的に見れば下落相場は大きく資産を増やす絶好のチャンスです。
下がれば下がるほど、そこで勇気をもって買いに回った人が将来大きく報われます。
市況がこれからどうなっていくかは誰にも分かりませんが、何が起きようとも皆で生き残り、各々が理想とする資産形成・経済状況を実現していきましょう。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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