【配当6.9%&連続増配49年】 ユニバーサル(UVV)は米国の大手タバコ商社

連続増配株

ユニバーサル(Ticker: UVV)は、フィリップモリス、アルトリア、ブリティッシュアメリカンタバコ、JTなどに代表される世界の大手タバコ企業にたばこ葉を販売しているタバコ商社です。

現在の株価を基準とすると7%近い配当利回りが得られるスーパー高配当銘柄となっていますが、どちらかというとその利回りよりも、連続増配ランキングにて見かけることが多いです。

50年以上連続して増配している銘柄を”Dividend King(配当王)”と言いますが、同社は1971年から現在に至るまで49年連続増配中で、来年(2021年)にはキングの称号を手にいれること間違いなしの気高い銘柄です。

UVVは世界のタバコ大手企業にたばこの葉を売っている

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UVVは1918年に設立され、100年を超える歴史を誇り、世界30か国以上で事業を展開しています。

タバコ葉の供給者としてはグローバルリーダーの地位を築いており、2019年3月時点での時価総額は約1,500億円、年間売上高は2,300億円ほどとなっております。

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上述のとおり、1971年から49年連続増配の実績を誇ります。

2018年に36%の大幅増配を実行したのち、2019年にも1%の増配を実施しており、今後も増配を継続する意向を表明しています。

UVVの主なビジネスモデルは下図のとおり、農家から仕入れたタバコ葉を世界のタバコ製造者へ販売することです。

UVVは農家と製造者の間に立ち、製造者が求める品質のタバコ葉を調達することや、製造者が求める規格に合わせるための加工も行いますが、一般消費者が手にする紙巻きタバコ等の最終品の生産は行っていません

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同社の主要な顧客トップ6は、アルトリア、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、中国煙草、インペリアル、JT、フィリップモリスと世界のトップ企業をすべて押さえていることが分かります。

なお、同社は過去3年間、この6社から収入の2/3以上を稼いでいます

言うまでもないことですが、同社の将来に向けての懸念はタバコ産業自体の規模縮小です。

下図のとおり、タバコ葉の需要は長期的に右肩下がりとなっており、生産量もそれに合わせて下がっていっている状況です。

タバコ葉の生産量が需要に合わせて減少していることで、特別に在庫が積み上がっているというような状況ではないようですが、UVV自身もすでに世界のタバコ消費量のピークは数年前に過ぎており、今後はタバコ葉の需要も徐々に減少していくだろうと認めています。

そこで次の手として2020年1月には初となる食品企業(FruitSmart, Inc.)の買収を実行したりもしていますので、今後の展開に注目ですね。

UVVの業績推移(売上・利益)

ここからはUVVの経営状況について、簡単に見てみたいと思います。

まずは近年の業績推移です。※ここからのグラフはMorningstarの情報を基に作成

過去10年ほどを見ると、売上高は25億ドル前後から20億ドル前後まで減少し、営業利益率も同様に10.7%から7.0%まで減少しています。

一見、どんどん苦しい状況に追い込まれているようにも見受けられますが、下記のとおり、2000年以降の業績を見てみると営業利益の水準は長期の横ばいトレンドのなかで、期間平均をやや下回る程度にとどまっていると見ることもできるかと思います。

UVVのEPS(1株当たり利益)と配当の推移

 次にEPS(1株当たり利益)と配当の推移を見てみましょう。

EPSと配当の関係(薄緑と青色)は比較的安定感がありますが、CF(濃緑)のぶれが大きいですね。

上表は配当と自社株買いを合わせた総還元性向(Total Yield %)の推移を示しています。

2018年は5.57%、2019年は6.17%、現在は9.51%と株価低迷・連続増配・自社株買いのトリプルパンチにより、近年は株主還元の水準が著しく高まっています

なお、過去10年間(2011~2020年)の配当実績は以下のとおりです。

  平均配当性向:58.0%

  年平均増配率:5.4%

   累計増配率:1.60倍(2011年: 1.90ドル/株→2020年: 3.04ドル/株)

増配率は2018年の36%増配があるわりにそれほど高くありませんが、逆に配当性向には余裕が感じられます

UVVのキャッシュフロー(営業CF・資本的支出・フリーCF)

Capexの少なさは安定的でいい感じですが、各年の営業CF(≒フリーCF)のばらつきが大きいこともあり、これだけを見るとなんとも言えない感じですね。

会社の方針として、増配を維持しつつ、余った現金は主に自社株買いで株主に還元する方針を打ち出しており、上図のとおり、潤沢にキャッシュを創出できた年は下から二番目の自社株買い(濃いめの青色部分)で株主に還元していることが分かります。

UVVの株価チャート

1991年1月1日から2020年8月28日までの株価チャートです。

2017年2月に83ドルを超えたのが過去最高値で、現在は44.19ドルとなっています。

正直なところ、このチャートを見せられると株価の成長性はあまり感じられませんね。

結論:タバコ大手と比べると、配当性向に余力あり

私がUVVに興味を持った理由はその高配当と圧倒的な連続増配実績に加え(本質的ではないですが)配当支払いが2/5/8/11月なところです。

ETFをベースにポートフォリオを構築するとどうしても配当が3/6/9/12月に集中しがちになり、毎月の配当金を生きがいにしている私にはその間の空白が耐えがたいものとなります。

そこで2/5/8/11月に高配当を出してくれるUVVのような銘柄をポートフォリオに加え、毎月のCFを平準化することを画策している次第です。

正直なところ、利益率やCFの安定度、配当利回りを見ると、同じ月に配当を出してくれるBTI(ブリティッシュアメリカンタバコ)の方が税制メリットも含めてよさそうな気もしています。

ただ、UVVの方が配当性向に余裕を感じるので、たばこ関連は基本的に成長性が期待できないという前提のもと、減配リスクがより低いであろうUVVを組み入れて分散を図るのもありかなと思っています

今後も高配当株については「リメンバー・ロイヤルダッチシェル」を合言葉に集中投資は避けつつ、適度にポートフォリオに組み入れていきたいと思います。

今後も世の個人投資家の皆様とともに、ナイスな資産形成に取り組んで参ります。本日も最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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