【米国外REIT】VNQIは米国外の不動産企業とREITをカバーするETF【不動産】

REIT

米国で最も運用額が大きいREIT ETFは「VNQ」ですが、本日取り上げるのはその米国外版「VNQI」です。

VNQIは、米国を除く世界の不動産企業とREITを組み込んでいるETFで、世界の不動産市場全体にエクスポージャーを取っているというイメージでよろしいかと思います。

VNQとVNQIを保有すれば全世界の不動産セクターをカバーできるということですね。

REIT以外の不動産企業(日本企業では三菱地所や三井不動産など)も含まれていますが、REITの特長である高めの配当利回りについてもある程度期待できる商品です。

※残念ながらSBI証券ではVNQIの取り扱いはなさそうです…

世界の不動産株とREITをカバーするETF

米国以外の不動産株・REITをカバーするというと何となくトリッキーでマイナーな感じがするかもしれませんが、VNQIは意外にもREIT ETFのなかで3番目の運用規模を誇ります(下記参照)。

REIT以外の事業会社がVNQIに含まれる条件としては、下記の事業を営んでいることが必要とされています。

  • 不動産賃貸業
  • 不動産開発業
  • 不動産管理業

ただし、上記の事業に取り組んでいる場合でも、下記のようなビジネスを主な収益源としている企業は構成銘柄から除外されます。

  • 不動産仲介業
  • 不動産投資運用業
  • 不動産融資
  • 不動産管理に特化している企業
  • ハウスビルダー・ゼネコンなどの建設業
  • 不動産鑑定業

上記の2つの基準に照らし合わせ、日本企業からは三菱地所・三井不動産・住友不動産・大和ハウスなどの大手企業がVNQIに組み入れられています。

なお、構成銘柄のレビューとリバランスは年1回、7月末時点のデータに基づき、9月の第3週に行われることになっています。

VNQIの基本情報

米国以外を含むリートETFのうち、VNQIに次ぐ運用残高を誇るREETと以下のとおり比較してみました。

※REETは米国REITも含む全世界REIT ETFですが、VNQIには米国銘柄は含まれていません。またREETには不動産企業は含まれていませんが、VNQIはREITだけでなく不動産企業を含みます。

VNQIの経費率は0.12%と米国外のみで構成されているETFとしては非常に低い水準と言えると思います。

設定日は2010年11月1日ですでに10年以上の運用実績があります。

純資産額も5,000億円ほどで、REIT ETFとしては上述のとおり3番目の規模を誇ります。

構成銘柄数は669と、純粋なREITのみを対象とするREETと比較しても、かなり銘柄数が多いことが分かります。

2015~2020年の過去6年間の平均配当額を現在の株価で割った利回りは4.3%で、各年の変動こそ非常に激しいものの(今年の配当は1%ほど)、中長期的に保有すれば、インカム狙いのETFとしても機能するものと思われます。

VNQIの構成比率と上位銘柄

VNQIの国別構成比は上から順に以下のとおりです。

日本・中国・香港の上位3か国で全体の43.4%を占めています。

なお、上記のリストのあとには、マレーシア、ノルウェー、サウジアラビア、インドネシア、カタール、チリ、アイルランドなどが続いており、比率は低いものの、米国を除く全世界に広く投資できることが分かります。

日本が21.7%とぶっちりで1位なので、日本の不動産企業とJ-REITには頑張ってもらいたいですね。

なお、上記の国を地域別にまとめると以下のようになります。

次にセクター別構成比をREETと並べて見てみましょう。

VNQIのセクター別では事業会社(Real Estate Development & Operation)が半分以上を占めており、REITのみを投資対象とするETFとはだいぶ毛色が異なることが分かります。

ここには三菱地所や三井不動産などの日本の大企業が多分に含まれていますので、こういった会社が徐々に株主還元の姿勢を強めていってくれれば、VNQIのパフォーマンスも上向いていきそうですね。

VNQIの運用実績

VNQIのパフォーマンスをREETの設定来と比較してみました。

オレンジがREET、青がVNQIで、2014年7月8日~2020年12月23日が対象期間です。

全体的にREETの方がパフォーマンスがよさげですが、そんなに変わりませんね。

上記期間のリターンはVNQIが21.83%、REETが24.82%となっております。

年初来チャートと各期間のリターンは以下のとおりです。

年初来ではVNQIの方が若干ですが、上回っております。

なお、VNQIの過去10年間のリターンはちょうど5%となっており、個人的には今後もこれと同水準かやや上回るリターンを出してくれることを期待しております。

結論:VNQと組み合わせて全世界の不動産をカバー

個人的には10年間の運用実績があるVNQIには安心感があり、上述のとおり、今後も5%+αのリターンを期待したいと思っています。

私がポートフォリオの主力にしているVYM/VIGシリーズにはREITは含まれていませんので、VNQとVNQIを組み入れることで全世界の不動産セクターを補完したいと思っています。

米国REITが誇る、素晴らしいリターンには及びませんが、今後、米国市場の減速が予測されるなかで、全世界・全セクターになるべく広くエクスポージャーを取りたいと思っていますので、VNQIは2.5%程度組み込んでおります。

過去3年間のVNQIのリターンはほぼゼロですので、逆に言えばここから数年は反動で高めのリターンを記録してくれるのではないかと勝手に期待しています。

本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

コメント

  1. りおじー より:

    にこまる様

    いつもありがとうございます。差し出がましいようですが、VNQI運用実績の内容でREETではなく、VXUSとありました。にこまるさんに倣って分散投資を心がけています。これからもブログの更新を楽しみにしています。

    りおじー 拝

    • にこまる より:

      ご指摘いただき、ありがとうございます。修正させていただきました。
      こちらこそこれからもよろしくお願いします。

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