【IB証券】Portfolio Analystという機能が有能すぎる件について

投資戦略・方針

今月からIB証券(インタラクティブ・ブローカーズ証券)に資産の大半を移管して、ポートフォリオを再構築しました。

IB証券はセミプロレベルのプラットフォームで、まだまだ私も使いこなせていないのですが、設定不要で使える便利な機能として「Portfolio Analyst」がありますので、紹介したいと思います。

※IB証券については下記記事にて簡単にまとめています。

これまでエクセルでやっていた集計作業が自動化

私はこれまで国別のアロケーションや、ポートフォリオレベルでのリターンを自作のエクセルで集計しながら、運用状況のモニタリングを行っていました。

しかし、IB証券の場合、”ログイン”→”Portfolio Analyst”→”Detailed Report”というステップを踏むだけで、任意の期間に対して下記のような情報が自動で出力されます。

  • 資産残高推移(1日毎)
  • ポートフォリオ・リターン(各期間ごと&設定来の推移が1日毎)
  • 各保有銘柄の残高・損益と全体に占める割合
  • 上位25銘柄(ETFの中身をばらしたLook throughベース)
  • ポートフォリオに占める各金融商品(株・債券・ETF・現金など)の内訳
  • ポートフォリオに占める資産クラス(Equity・Fixed Income・不動産・現金など)の内訳
  • ポートフォリオに占める各セクター(金融・テック・エネルギー・ヘルスケアなど)の内訳
  • ポートフォリオに占める各地域(北米・アジア・欧州・オセアニア・南米・アフリカなど)の内訳
  • ポートフォリオに占める各国(米国・日本・英国・中国・豪州など)の内訳
  • 各セクターごとのパフォーマンス(月初来・設定来)
  • ポートフォリオとベンチマーク(S&P 500・先進国株・全世界株)のパフォーマンス比較
  • ポートフォリオとベンチマーク(S&P 500・先進国株・全世界株)のリスク分析(最大下落幅・シャープレシオ・ソルティーノレシオ・標準偏差・相関係数など)
  • S&P 500との差異分析(各セクターごとの配分/銘柄選定によるリターンへの影響)
  • 資産クラス(Equity・Fixed Income・不動産など)ごとのパフォーマンスへの貢献(1日毎)
  • 金融商品(株・債券・ETFなど)ごとのパフォーマンスへの貢献
  • ポートフォリオ内のトップパフォーマー・ボトムパフォーマー
  • ポートフォリオのヒートマップ(セクター別・銘柄別)
  • 今後1年間の配当予測(銘柄ごとの積み上げ)
  • 受取配当実績(銘柄ごとの積み上げ)

ちょっと項目が多すぎてわけわからない感じですが、私の場合、上記の情報が31ページのPDFとなって一瞬で出力されます。

正直、米国の場合にはこれが個人投資家レベルに実質無料で提供されているわけで、以前から思っていましたが、日本と米国の金融業界のレベルの差(個人投資家へのサービスやフィー水準)を痛感する次第です。

最大下落率や主要なベンチマークとの相関、シャープレシオなどは、個人投資家がモニタリングすることは困難ですから、ほんとにありがたいですし、自分のポートフォリオのパフォーマンスが良かった時も悪かった時も、なぜそうなったかが一目瞭然ですので非常に参考になります。

全部を紹介することは難しいので、ここからは上記の項目のうち、主なものをいくつか紹介していきたいと思います。

ポートフォリオの構成比率に係る事項

まず、最も基本的な情報である各銘柄の状況を示す表と、上位5銘柄が全体に占める割合を示す円チャートです。

このページでは、各銘柄の保有株数・取得価格・時価・取得価額・含み損益と、上位銘柄が全体に占める割合を見ることができます。ナイスですね。

次は上位25銘柄の情報をまとめた表です。

この表のナイスな点は、各ETFに含まれる個別銘柄の割合も計算して、実際の個別銘柄の保有比率を算出してくれるところです。

例えば、私の保有銘柄の5番目は「700 Tencent Holdings Ltd」となっていますが、私はこの銘柄は個別銘柄としては保有していません。

しかしながら、私が保有する2つのETF(FLCHとVIGI)に含まれているテンセントの割合をベースに実際にはテンセントが私の保有する銘柄として上位に入っていることを教えてくれているのです。

私のようにETFを多用してポートフォリオを組むと、実際の組入銘柄の比率を計算することがかなり困難になるのですが、Portfolio Analystがあれば、そんな心配は不要ということです。

上記のように資産クラス(Equity, Fixed Income, Real Estate, Cash)、金融商品(株式、債券、ETF、現金)、セクター(Fiancials, Consumer Non-Cyclicals, Healthcareなど)の内訳も確認できます。

ただ、これらも完ぺきではなく、例えばゴールドETFのGLDMはおそらく資産クラスとしてはEquityに分類されているっぽいのですが、Real Estateが資産クラスとしてあるなら、Goldという資産クラスも作ってほしいなと個人的には思っております。

各地域(北米、アジア、欧州、オセアニア、南米、アフリカ)や国別(米国、中国、英国、スイス、カナダ、日本など)の内訳も上記のとおり、ETFの中身を反映した内容を確認できます。

ポートフォリオのパフォーマンスに係る事項

各期間のリターンとトップ&ボトムパフォーマーなどの情報が一目でわかります。

S&P 500、先進国株(北米除く)、全世界株との同期間のリターンの差も上記のとおり分かりやすく表示してくれます。

左半分は一日単位でのパフォーマンス、右半分は累計リターンの推移となっています。

各ベンチマークとのリスク・プロファイルの比較です。

シャープレシオやMax Drawdown、そこからのリカバリー期間、標準偏差や平均リターン、ポジティブリターンとネガティブリターンを記録した期間などが見れます。

右側のグラフは累計リターンの推移ですね。

株式や債券など、どのセクターがどのようにリターンに貢献しているかもグラフで出してくれます。

先ほども出てきたましたが、トップパフォーマー・ボトムパフォーマーに加え、各セクターや金融商品(ETF・個別株)ごとのパフォーマンスへの貢献も見ることができます。

こんな感じのヒートマップも出てきます。

私の場合は個別株が足を引っ張っていることがよく分かりますね(汗

ポートフォリオの配当に係る事項

最後に配当関連についてサラッと紹介します。

下記のような感じで今後12ヶ月の受取配当予測を個別銘柄ごとに計算のうえ、積み上げてグラフで表示してくれます。これは私もびっくりしました。IB証券マジで凄いですわ。

IB証券への移行に伴い、ETFの比率を大きく高めたので、今後は四半期末に配当が集中する見込みです。

もちろん予測値だけでなく、実績についても下記のとおり、まとめて表示してくれます。

上記のとおり、今月はこれまで862.52ドルを配当として受け取っています。

やっぱりIB証券に切り替えてよかったような気がする

切り替えのタイミングがあまりよろしくなかったので、見かけ上は損失が出ていたり、年明けの確定申告に向けて、効率的なやり方を検討したり、と精神的な部分も含め、追加的なコストはありますが、ここまでのところ、IB証券に切り替えてよかったと思っています。

上記のような付加価値のあるサービスも無料で提供されていますし、そもそもの手数料も安いので、この2点だけでも今後、十分ペイしてくれそうですし、それ以外にもDRIP制度や自動貸株制度などいいことが多いです。

本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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