本日は高配当株として名高いブリティッシュ・アメリカン・タバコ(Ticker: BTI)について、分析・考察した結果を記事にまとめてみました。
BTIは1902年にイギリスとアメリカの合弁タバコ会社として設立
BTIは1902年にイギリスのImperial Tabacco CompanyとアメリカのAmerican Tabacco Companyの合弁会社として設立されました。
両社はお互いの本国ではビジネスをしないという取り決めを結んでいたため、BTIは当初、オランダやノルウェーなどの欧州諸国や、インド、インドネシア、エジプトや東アフリカ諸国などの新興国を中心に事業を拡大していきました。
直近では2017年にアメリカのReynolds American Inc.を買収し、今日ではアルトリア・グループ(Ticker: MO)、フィリップ・モリス(Ticker: PM)と並び、米国市場に上場している三大タバコ会社のひとつの地位を占めています。
現在は、5万5千人の従業員を抱えており、世界200か国以上で販売されているBTIの商品を毎日1億5千万人以上の人々が嗜んでいます。
主要なブランドとしては、Dunhill、Lucky Strike、Kent、Pall Mall、Rothmansなどを有しています。
BTIの業績推移(売上・利益)
それではBTIの財務情報を見ていきましょう。
まずは業績推移です。ここからの出典の記載がないグラフはBTIのAnnual Reportを基に作成しています。
2017年はReynolds American Inc.の100%買収に伴い、純利益が上振れして異常値になっていますが、それ以外の年の業績の安定感には目を見張るものがあります。
営業利益率は常時30%以上の水準で安定しており、それはReynolds American Inc.買収後も変わっていません。
BTIのEPS(1株当たり利益)と配当の推移
次にBTIのEPS(1株当たり利益)と配当の推移を見てみましょう。
2017年の異常値を除くと、常時60-70%の配当性向でGBPベースでは安定的に増配してきています。
上表は配当と自社株買いを合わせた総還元性向の推移を示しています。
株価が急落した2018年に7.98%という超高利回りを記録しています。
現在でも配当利回りは6%台で維持されていますので、今後の配当持続性をどう見るかですね。
BTIのキャッシュフロー(営業CF・資本的支出・フリーCF)
次はBTIのキャッシュフローです。
素晴らしすぎる安定感ですね。
毎年これほど潤沢なCFを安定的に生んでくれるのであれば、安心して投資が出来ます。
BTIの株価チャート
2020年1月10日時点でのBTIの株価チャートです。
2017年の高値から2019年初までジェットコースター並みの下落を見せましたが、現在は底値からの反発局面に入っています。
長期的にはタバコの事業性に疑問符が付くことは理解できますが、最も重要なキャッシュを生み出す力を見ると、2019年半ばまでの40ドルを割る水準は安すぎたと思っています。
結論:BTIは事業性だけを見ればピカピカの優良銘柄
ここまでいろいろと見てみましたが、個人的には高配当ADRの一角としてBTIを保有することは大いにありだと考えています。
基本的に企業は安定的にキャッシュを生んでいる限り、つぶれることはありませんし、タバコという依存性のある商品の性質からも、多少の増税などでは売上が激減することは考えられません。
個人的には新興国の人口増加と経済発展によって、先進国での消費の落ち込みがカバーされる面もあると思っていますし、ESG投資の観点からも機関投資家の買いが入りにくく、株価が割安で放置されやすい側面もあるので、面白い銘柄だと考えています。
したがって、BTIについては、今後もウォッチリストに入れて、株価動向をチェックしていきたいと思います。
以上、高配当ADR銘柄・タバコ大手のBTIについての考察でした。
本日も最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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