私の尊敬するレイ・ダリオさんの2021年6月末時点のポートフォリオが8月13日に公開されました。
最新の内容を踏まえ、前回3月末から変化や、ポートフォリオ構成から私が感じたことなどをまとめてみました。
2021年6月末時点での主な保有銘柄
上位100銘柄の構成については前回から大きな変化はありませんが、ETFの比率が更に低下し、より多くの個別株に分散を効かせるアプローチをもう一歩進めた印象です。
おおむね以下のような構成となっています。
- 米国株 60%
- 中国株 10%
- 新興国株 5%
- ゴールド 3%
- 先進国株 1%
- 米国社債 1%
- その他 20%(米国・中国などの個別株など)
今回は前回から更に上位100銘柄の構成比率が低下しました。
前回は全体の85.4%がカバーされていましたが、今回は全体の77.8%となっています。
今回からは個別銘柄についてはセクターも記載しています。
今後、どのセクターが重点的に組み入れられているかも確認していきたいと思っております。
<今回:2021年6月末>
<今回:2021年3月末>
前回から大きな変化は見て取れませんが、上位100銘柄の構成比率はすべてのカテゴリー(米国株・中国株・新興国株・ゴールド・先進国株・米国社債・台湾株)で低下しています。
S&P500に連動するETFの比率も大きく落としていることから、全体として個別株へのシフトがより一層進んでいる一方、個別銘柄の比率を落とすことでより分散を図っていることが読み取れます。
上位100銘柄のセクター別比率を見てみると、比率の大きい順にConsumer Staple 24.4%、Health Care 11.4%、Consumer Discretionary 10.9%となっており、この3セクターで全体の46.7%を占めています。
ETFに含まれている分や、101番目以降の銘柄を加えると、この3セクターがポートフォリオの60%程度を占めていると考えてよいのではないかと思います。
景気循環に関係なく安定したCFが期待できる(=債券の代替もしくは上位互換としても機能し得る)セクターとして、Consumer StapleとHealth Careをポートフォリオのベースとしつつ、コロナからの経済再開の恩恵を強く受けるであろうConsumer Discretionary(組入銘柄には外食産業も目立ちます)の比率を戦略的に引き上げているのかな、と勝手に想像しています(もしかしたら全然違うロジックかもしれませんが…)。
アセットアロケーションについては、金(ゴールド)の比率が前回よりも更に低下して3.7%→2.6%となりました。
ゴールドの先行きには少なくとも6月末時点ではあまり強気ではなさそうですが、最近レイダリオはビットコインの保有を明かしつつ、「ゴールドとビットコインのどちらか片方しか保有できないならゴールドを選ぶ」と述べています。
レイダリオ信者として愚直にゴールドを保有している私のような泡沫投資家のためにも、どこかで彼らがゴールドを大きく買い戻してくれるといいなと期待しております。
2021年4~6月に保有割合が上昇した銘柄
こちらが2021年4~6月に保有割合が増加した銘柄トップ5です。
ウォルマートは3四半期連続、ジョンソンエンドジョンソンは2四半期連続でのトップ5入りです。
ウォルマートを筆頭に、ジョンソンエンドジョンソンやダナハーのような医療関連、コストコのような優良なConsumer Staple銘柄たちには引き続き強気ということでしょうか。
個人的にはEEM(新興国株ETF)の買い増しが興味深いですね。
前四半期にはEEMのポジションは結構落としていました。
先進国株は全然買い増していないので、4~6月にかけては新興国株に妙味を見出していたのでしょうか。
ただ、全体的には前四半期から大きな運用方針の変更はなさそうな印象は受けます。
2021年4~6月に保有割合が下落した銘柄
こちらが2021年1~3月に保有割合が低下した銘柄トップ5です。
SPY(S&P 500)とGLD(ゴールド)は2四半期連続でトップ5入りです。
SPYのポジション調整は最も大きく持分を5.54%も引き下げています。
ゴールドについては、1年前の保有比率は19.8%でしたが、今期には2.6%まで引き下げられています。
もしブリッジウォーターがこれほどゴールドを売り込んでいなければ、私の資産評価額はもっとたかったであろうことは想像に難くありません。
SPYの比率は大きく落としていますが、米国株の保有比率は落ちていませんので、引き続きETFで無差別にセクターをカバーするよりも、好みの銘柄をセレクティブに積み上げるスタイルを選好していることが分かります。
米国個別株への傾倒はフォロワーとしてはしんどい
今回の内容を踏まえ、なるべく忠実にブリッジウォーターのポートフォリオを再現するとしたら、以下のような感じになろうかと思います。
- 米国株 70.0%
- 中国株 12.5%
- 新興国株 7.5%
- ゴールド 5.0%
- 先進国株 2.5%
- 米国社債 2.5%
Form13Fではすべてのポジションは分かりませんので、あくまで印象論ですが、前回よりも米国個別株の比率が高まっており、模倣しづらいポートフォリオになっていっている気が致します。
中国株を含めた新興国株はそれなりのアロケーションですが、先進国株や債券はほとんどカバーされていません。
個人的には6月末時点のブリッジウォーターを参考にポートフォリオを組むなら、もう少し単純化して下記のような感じにするかなと思います。
- S&P500 70%
- 新興国株 20%
- ゴールド 5%
- 先進国株 5%
これならETF4つだけで再現できるし管理も楽そうな気が致します。
今後もレイダリオ信者を騙っている以上、ブリッジウォーターのポジション調整を3カ月ごとにモニタリングしていきたいと思います。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
コメント
にこまる様
いつも勉強させて頂いております。
ありがとうございます。
徐々にポートフォリオが変わってきているのですね。
コロナ動向はもちろんアメリカのテーパリングの話も出てきているので、今後の動きがとても気になります。
本家の動きを鑑み、にこまるさんのポートフォリオも気になりますので是非宜しくお願い申し上げます。
引き続き宜しくお願い致します。