私の尊敬するレイ・ダリオさんが創業したブリッジウォーターの2023年6月末時点のポートフォリオが8月11日に公開されました。
前回に記事にまとめたのは昨年12月ですので、少し間が空いてしまいましたが、最新の内容を踏まえ、昨年末からの変化や、直近のポートフォリオ構成から私が感じたことなどをまとめてみました。
2023年6月末時点での主な保有銘柄
今回も前回同様、上位500銘柄を確認しました。
上位500銘柄でポートフォリオの98.9%がカバーされています。
2023年6月末時点のポートフォリオの資産配分は以下のとおりでした。
- 米国株 83.1%
- 新興国株 7.6%
- 中国株 4.2%
- 米国債券 1.5%
- 先進国株 1.5%
- 米国REIT 0.9%
- その他 1.1%(保有比率501位以下の銘柄など)
前回は上位100銘柄が全体の75.8%を構成していましたが、今回は80.2%でした。
上位250銘柄は、前回は全体の91.4%を構成していましたが、今回は93.3%となりました。
したがって、前回よりも上位100銘柄および250銘柄の比率は高まりました。
<今回:2023年6月末>
<前回:2022年12月末>
大分類では、米国個別株・新興国株ETF・米国債券の比率は上昇しましたが、その他の比率が全体的に若干下がりました。
ゴールドに至っては半年前は1.56%だったものが、0.02%とほぼ全売却状態です。
上位500銘柄のセクター別比率を見てみると、比率の大きい順にConsumer Staples 27.0%、Health Care 19.3%、Consumer Discretionary 13.3%となっており、この3セクターで全体の59.6%を占めています。
前回集計から、Consumer Staples/Health Care/Consumer Discretionaryで、それぞれ▲0.1%/+2.5%/+1.6%の変動となりました。
なお、上記の数字は個別銘柄のセクターを集計したものですので、全体の19.5%がETFや501番目以下の銘柄で占められていることには注意が必要です。
上位3セクター以外で目立った動きがあったところとしては、Financeが▲5.7%(10.6%→4.9%)と大きく下落する一方、Information Technologyが+2.0%(3.0%→5.0%)、Communicationsも+1.7%(2.9%→4.6%)と比率が増加しています。
セクターごとの資産配分にある程度変化がみられることから、マクロヘッジファンドとしてのブリッジウォーターっぽさが感じられますね。
2023年4~6月に保有割合が上昇した銘柄
こちらが今四半期に保有割合が増加した銘柄トップ5(こちらは前回集計の12月末からではなく、前四半期(1~3月期)からの変化)です。
IVV(S&P 500)の比率が上がっており、全銘柄のなかでトップ(5.54%)を堅持しています。
それ以外は、FXI・MCHIと中国株ETFの2銘柄が入っているのが印象的です。
なお、中国株とは別に全体の2位と11位に新興国株ETFが入っており、新興国株にもそれなりに投資されています。
2023年4~6月に保有割合が下落した銘柄
こちらが今四半期に保有割合が低下した銘柄トップ5(こちらも前回集計の12月末からではなく、前四半期(1~3月期)からの変化)です。
1位と2位がゴールドETF、3位はメタ、4位がマスターカード、5位がホームデポとなっております。
今四半期でゴールドの比率は0.02%まで下がりましたので、実質的に今四半期中に完全売却となっています。
メタは全体の20位に残っており、まだ主力銘柄の一員ですが、マスターカードとホームデポはいずれも上位500銘柄から外れています。
米国一極集中が強まり、参考にしづらいポートフォリオ構成
今回の内容を踏まえ、簡易的かつなるべく忠実にブリッジウォーターのポートフォリオを再現するとしたら、以下のような感じになろうかと思います。
- 米国株 84%
- 新興国株 7%(除く中国)
- 中国株 5%
- 米国債券 1.5%
- 先進国株 1.5%(除く米国)
- 米国REIT 1%
前回からの変化は、米国株の比率が若干高まった一方、新興国株・中国株の比率が下がり、かつゴールドの配分がゼロになった点です。
ただ、この資産配分だと先進国株・米国REIT・米国債券は組み入れる意味がほぼありませんので、より単純化した下記の資産配分でほぼ同等の運用結果が得られるかと思います。
- 米国株 (VTI) 85%
- 新興国株 (VWO) 15%
この2銘柄からなるポートフォリオで代替可能な感じはしばらく続いており、これまで同様、これをモニタリングしたところで意味があるのか、という疑問は拭えませんが、一応、レイダリオを参考にすることにしていますので、今後もできるだけこの定点観測を続けていきたいと思います。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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