【米国市場の歴史】過去の下落相場と回復期間について

インデックス投資

先週から今週にかけて株価が再上昇により、半端なかった3月の急落相場もすでに過去のものになりつつあります。

しかしながら、例えばワクチン開発が思うように進まず、Covid-19が長期化すれば、更なる下落相場の到来もあり得るでしょう。

今日は特に目新しい内容ではありませんが、頭の整理の一環として、過去の米国市場の下落相場とその後の回復について、下記Morningstarの記事を参考にまとめてみました。

【参考記事】Stock Market Contractions and Expansions

適正リターンを実現するためには長期投資が必要

上図は1972~2019年の米国株式市場のリターンを表したものです。

下落相場を直近の最高値から10%以上の下落と定義し、該当する期間をオレンジ色で表しています。

一方、下落相場が底を打ち、拡大局面に向かって最高値をつけてから10%以上の下落を始める地点までを上昇相場と定義し、緑色で表しています。

2019年までのデータなのでコロナショック前までのデータですが、この47年間で下落相場は8回発生しました。

例えば、上記グラフで最後の下落相場は、米中貿易摩擦と金利引き上げの影響を受けた2018年10月から2018年12月までの13.5%の下落です。株式市場がこの下げ幅を2019年4月には回復しています。

下落相場の到来を確度をもって予測できる人は世の中に存在しませんから、この歴史から得られる教訓は下落相場に直面しても長期に渡って投資を継続することで適正なリターンが得られるようになるということだと思います。

つまり、これまで米国株式市場は過去のすべての下落相場を乗り越えて最高値を更新し続けているので今後もそれを信じるべし、ということです。

しかしこれには重要な視点が欠けています。

我々は永遠に生きるわけではありませんので、株価の回復に何十年という長い時間がかかるようであれば、その間に人生の大半を終えてしまい、投資をする意味がなくなってしまうということです。

実際に株価の回復にはどの程度の期間を要するのか?

なので、次に過去の下落相場からの回復(=最高値の更新)にはどの程度の時間を要したのか、を1930年代まで遡ってみてみましょう。

米国市場の歴史上、最も凄惨な時期は1929~1945年の大恐慌とその後の回復期です。

大恐慌により、1929年からほぼ3年に渡って株価が下がり続け、ピークから下落率は83.4%という想像を絶する事態が発生しました。その後の回復にも13年近くを要しています

個人的には当時と比べて株式市場が高度化し、洗練されていることや、市場参加者の間でリターンがマイナスに終わった2000年代の記憶が残っているうちは1930年代のような事態が起こることはまずないだろうと考えています。

しかし、2000年代のドットコムバブルやリーマンショック程度のことは今後も十分に起こり得るはずで、下落幅で40~50%程度、下落開始から最高値回復までに5~6年程度の時間を失う事態に直面する心構えは持っておくべきだと考えています。

もしかすると我々はすでにその過程にいるかもしれませんが、こればかりは誰にも分かりませんね。

※蛇足ですが、実はバブル後の日本も米国の大恐慌に近い状況を経験しています。

日経平均は1989年の大納会で過去最高値の38,915円を記録してから、2009年3月には7,054円まで下落しており、下落率は81.9%です。

このレベルの下落相場が直撃した世代は「株だけはもう二度とやらない」と心に誓い、市場を去っていき、自分たちの子供の世代にも「株なんかギャンブルみたいなことはやらないで、真面目に働いて貯金しなさい」というようになります。

この現象は最近までの日本でも、当時の米国でも見られていた現象ですが、こういう風潮が社会に浸透したあたりから最も高いリターンを記録する相場が始まるところが非常に興味深いですね。

長い目で見ながら忍耐力を持って投資に臨んでいきたい

今回のコロナショックは過去最速の下落に対して過去最速の回復期間となりました。

FRBの対応もあり、回復が早くラッキーだったと思う面もある一方、まだまだ資金を投下していく段階にあった身としては「もう少し割安な状態が継続した方が長い目で見たら助かったのに…」という気持ちもあります。

私のはじめての投資は、まだ学生だった時にリーマンショックで大きく動いた為替市場を見て、これは儲かると思って始めたFXです。

当時はリーマンショックの影響が完全に顕在化した後に相場に入っていきましたので、ダメージは受けていません。

ですので、今回のコロナショックは自分が本格的に投資を始めて以降、初となる歴史的な下落相場で、自分のメンタル面(この程度ならストレスなく冷静に対応できることが分かった)でも、テクニカルな面(株価が毎日動きまくったのでどの銘柄を売り買いすべきかの判断にその場その場で瞬発力が求められ難しかった)でも学びがありました。

今後の投資人生でこのような事態が何度も起こることは確実ですので、今回学んだ教訓を過去の教訓と合わせ、また書籍等からの知識のアップデートも含めて、今後も相場を長い目で見ながら忍耐力を持って投資に取り組んでいきたいと思っています。

本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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