本日は米国で最も運用額が大きいREIT ETF「VNQ」について取り上げたいと思います。
VNQは米国の不動産企業とREITを組み込んでいるETFで、米国の不動産セクター全体をカバーするETFというイメージでよろしいかと思います。
※残念ながらSBI証券ではVNQの取り扱いはなさそうです…
※先日記事にしたVNQIと合わせて保有すれば全世界の不動産セクターをカバーできます。
米国の不動産株とREITをカバーする最大のETF
VNQは下記のとおり不動産セクターをカバーするETFとしては、ぶっちぎりの運用規模を誇ります。
2番目に大きいIYRのAUMは$5.3bn(約5,500億円)ほどですが、VNQは$30.7bn(約3.1兆円)と文字通り、桁が違います。
先日紹介したVNQI同様、REIT以外の事業会社も構成銘柄に含まれています。
具体的には不動産サービスのCBREやJLL (Jones Lang LaSalle)、不動産テックのRedfin、デベロッパーのHoward Hughesなどが(比率は低いですが)VNQには含まれています。
VNQの基本情報
VNQのベンチマークはMSCI US Investable Market Real Estate 25/50 Indexです。
25/50の意味ですが、当該インデックスは分散効果を維持するため、同一企業グループの上限を全体の25%、全体の5%以上を占める企業の合計を50%以内とするような制約を設けていることによります。
構成銘柄のレビューとリバランスは年4回、2/5/8/11月の最終営業日に行われることになっています。
経費率は0.12%で、より経費率が低い米国リートETF(SCHH 0.07%/USRT 0.08%)もありますが、この水準であれば特段乗り換える必要もないかと思います。
設定日は2004年9月23日ですでに16年以上の運用実績があり、リーマンショック時の動きなどもデータがあるので、個人的には安心感があります。
純資産額は上述のとおり、3兆円を超えており、REIT ETFとしてはダントツで最大規模を誇ります。
構成銘柄数は181で、投資対象が米国に絞られているなか、銘柄数もそれなりに多いことが分かります。
過去4回の配当実績を現在の株価で割った利回りは3.5%ほどですが、すでに発表されている今年12月の配当を考慮すると3.95%となり、中長期的にも現在の株価ベースで4%くらいの配当は期待できるのではないかと個人的には思っています。
VNQの構成比率と上位銘柄
VNQのセクター別構成比は以下のとおりです。
最も比率が高いSpecialized REITsには、インフラREIT(American Tower, Crown Castle International)やSelf-storage REIT(Public Storage)が含まれています。
構成上位銘柄は以下のとおりです。
インフラREITのAmerican TowerやCrown Castle International、物流REITのPrologis、データセンターREITのEquinixなどが上位に入っています。
VNQの運用実績
VNQの設定来のパフォーマンスを2番目に大きな米国REIT ETFのIYRと比較してみました。
オレンジがIYR、青がVNQで、2004年9月23日~2020年12月28日が対象期間です。
全体的にVNQのパフォーマンスがやや上回っており、時間の経過とともにその差が開いてきています。
上記期間のリターンはVNQが255.33%、IYRが205.60%となっています。
VNQとIYRの各期間のリターンは以下のとおりです。
過去3年と5年ではIYRが若干上回っていますが、それ以外の期間では短期でも長期でもVNQが若干上回っています。
VNQの過去10年間のリターンは8.74%ですが、個人的には今後も長期的に7~8%程度のリターンを記録してくれることを期待しております。
結論:VNQIと組み合わせて全世界の不動産をカバー
米国REITは過去数十年にわたり、株式と同等以上のリターンを記録してきた魅力的なアセットクラスですので、私としては永久保有銘柄として、VNQを全体の5%程度組み入れています。
ちなみに兄弟分のVNQI(米国外REIT ETF)もすでに10年間以上の運用実績があり、VNQIとVNQを組み合わせることで全世界の不動産セクターをカバーすることができます。
VNQIの方は過去10年間のリターンが5%程度ですが、個人的にはVNQとの合算で年6~7%のリターン水準を維持してくれることを期待して、両者をポートフォリオに組み込んでいます。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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