私の尊敬するレイ・ダリオさんは、今年度の運用がうまくいっていないことを認めています。
9月15日の上記インタビューでオールウェザー・ポートフォリオは数%のリターンを上げているが、もうひとつの旗艦ファンド「ピュア・アルファⅡ」は年初来で約15%のネガティブ・リターンになっていることを明かしています。
しかしながら、彼が長期に渡って優れた実績を残してきたことには変わりなく、個人的にはまたそのうち市場をアウトパフォームする時期が来ると考えています。
本日はそんなレイダリオの直近のポートフォリオの状況を6月末時点の公開情報(Form13F)からまとめてみました。
2020年6月末時点での主な保有銘柄
Form13Fのまとめサイト「WhaleWisdom.com」の情報をもとに保有銘柄の上位50位までをリストアップしてみました。
この上位50位で全体の93.9%がカバーされています。

なんとなくS&P 500・ゴールド・中国株が多い感じがしますが、これだと全体感が分かりにくいので、大分類でまとめてみると下記のようになります。

ざっくり言えば、米国株が40%、ゴールドと中国株が20%ずつ、残りが中国以外の新興国株、先進国株、米国社債で占められている感じですね。
レイ・ダリオは、以前より世界のスーパーパワーとして中国が米国に取って代わる可能性について述べており、自身の息子も中国に留学させているなど、中国に造詣が深いことで知られています。
現在のポジショニングはまさに中国をオーバーウェイトしつつ、中期的な期待リターンが相対的に高いと予測されるその他の新興国株へのウェイトも上げていることが分かります。
2020年4~6月に保有割合が上昇した銘柄

こちらが2020年4~6月に保有割合が増加した銘柄トップ5です。
保有比率でみるとS&P500、ゴールド、中国株(+個別でアリババ)が伸びていますね。
3月からの株価の伸びによる部分もあると思われますが、保有株・口数ベースでも買い増ししていますので、これらのセクターに対してレイダリオはポジティブなスタンスでいるとみて間違いないと思われます。
2020年4~6月に保有割合が下落した銘柄

こちらが2020年4~6月に保有割合が低下した銘柄トップ5です。
最も大きなポジション調整として、米国長期国債ETFのTLTをこの期間に全て売却しています。
この頃からレイダリオは金利がゼロの債券を保有する意味が分からないという趣旨の発言を繰り返しており、この行動も直近のダリオ氏の言動が反映されています。
また、ハイイールド債ETFのHYG、投資適格社債ETFのLQDも売却を進めており、全般的に債券の比率を下げていることが分かります。
あとはブラジル株(EWZ)と新興国株(VEMIX)の比率も落としていますので、新興国株についても一様に強気という訳ではなく、(プロとして当たり前ですが)各国の状況を見ながら対応していることが読み取れます。
中国株とゴールド次第で大爆発…!?
まとめてみると結構シンプルな内容だなと感じました。
6月末時点のポートフォリオですし、Form13Fですべてが分かるわけではありませんが、再現するとしたら、以下のような感じでしょうか。
- 米国株 40.0%
- ゴールド 20.0%
- 中国株 20.0%
- 新興国株 7.5%
- 先進国株 7.5%
- 米国社債 5.0%
中国株とゴールド次第でS&P500を大きくアウトパフォームする可能性もありそうですね。
本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
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