先日、SBI証券からIB証券への移行を実行しました。
SBI証券からIB証券へは株式移管が出来ないため、NISA枠以外は一旦すべて売却して現金に変え、IB証券で改めてゼロからポートフォリオを再構築しました。
自分の頭の整理と備忘の意味も含め、今回の資産配分および保有銘柄の変更について、まとめてみました。
テーマ:株式比率の引き上げとグローバルな分散投資
株式比率の引き上げを伴う資産配分の見直しと、各アセットクラス内でのバランスの取れた国際分散投資を行うことを今回のテーマとしました。
これはご案内のとおり、今後10年間で米国株は世界株に劣後すると予想されていること、債券の利回りがゼロに近づき債券投資のアップサイドがほぼ失われていることなどを考慮したものです。
具体的にはこれまで米国市場に偏りがちだったバランスを時価加重ベースに近い水準に修正しつつ、レイダリオが強気な中国株をオーバーウェイトするイメージで試行錯誤をしました。
米国株の株主重視の姿勢や増配性を考えると、これまで同様、米国株をベースにしつつも、米国外へのエクスポージャーもしっかり取り、かつ中国については更に上積みしてポジションを取るイメージです。
11月下旬から12月初旬にかけて、あれこれ検討するなかで最終的には下記の資産配分に辿り着きました。
資産配分:株式70%・債券15%・商品7.5%・金7.5%
- 株式 70%
- 債券 15%
- 商品 7.5%
- 金 7.5%
これが検討の結果、辿り着いた資産配分です。
コモディティと金の比率は以前から変えていませんので、債券の比率を下げた分、株式の比率が大きく上がった形になっています。
個人的にはコモディティと金は短中期的によさそうな気はしているのですが、オール・シーズンズ戦略の比率から変更する根拠に乏しかったこと、コモディティのボラの大きさ、金鉱株含めてもゴールドからはキャッシュフローが期待できないことなどを踏まえ、それぞれ7.5%で現状維持としました。
一方、債券については、レイダリオは直近でほぼすべて売却しており、どの程度保有すべきか、正直かなり悩みました。
結果として15%という数字に収まりましたが、これは『何があるかは誰にも予測できないのでどんな資産も一定程度保有する合理性はある』という分散投資の思想を汲みつつ、株式ポートフォリオ内の銘柄構成と全体の配当利回りなどをいろいろとシミュレーションするなかで、このあたりが心地よい水準だったことによります。
株式:グローバルに分散しつつ、配当利回りと増配性のバランスを取る
株式ポートフォリオ内の国別比率は以下のとおりです。
- 米国 50%
- 中国 15%
- その他 35%
米国は時価加重をやや下回る程度にとどめ、その分、中国をオーバーウェイトし、残り35%をそれ以外の国に振る形を取りました。
ここまで株式の比率を上げてしまうと国別に分散投資したところで下落相場ではかなりのダメージを被るわけでして、その対策として、ポートフォリオの大半を永久保有に値するETFで構築しています(個別株は製薬・たばこ銘柄のみ)。
全世界株(NISA枠/ VT, VTI, VEA, VWO / 計10%):今後もNISA枠が埋まるまで毎月の積立を継続。
米国株(VYM 10%, VIG 5%):VYMで米国の高配当株をすべて押さえつつ、VIGを追加することで増配性をより盤石なものとする。
米国外株(VIGI 10%, VYMI 5%):過去のパフォーマンスと構成銘柄的にVYMIよりもVIGIの方が期待できそうなので、VIGIをメインとしつつ、配当利回りと分散効果の観点からVYMIを補完的に組み入れる。
中国株(FLCH 7.5%):中国株全体にエクスポージャーを確保でき、中国株ETFでは経費率が最も安いFLCHを採用。
REIT(VNQ 5.0%, VNQI 2.5%):VYM/VIGシリーズにはREITは含まれていないので、VNQ/VNQIで全世界のREITをカバーして補完。
全世界金融株(IXG 5.0%):英国などではまだ復配していない金融銘柄も多いので、今後フルにリカバリーするまで中期的に保有したい。
製薬大手(ROG, NVS, JNJ, PFE, MRK, ABBV 計5.0%):景気循環との連動が薄い製薬大手(ロシュ、ノバルティス、ジョンソンエンドジョンソン、ファイザー、メルク、アッヴィ)を分散効果と配当利回りを期待して組み入れる。
たばこ(MO, PM, BTI 計5.0%):DRIP(配当再投資)を活用して保有し続けた場合、どの程度のリターンが出るのか興味があるので保有。配当利回りブースターとしての活躍を期待。
債券:高利回りETFを配当再投資で永久保有
債券については、株価下落時のクッションやリバランスの原資というよりは、DRIPを活用した永久保有を前提に、キャッシュフローに貢献してもらうことを意図し、高利回り系ETFで固めました。
米長期社債ETF(VCLT 5.0%):以前からの主力銘柄。3%台の安定した利回り。
新興国ドル建国債ETF(VWOB 2.5%):米国外債券として組み入れ。4.4%前後の高利回り。
米物価連動債ETF(SCHP 2.5%):インフレヘッジとして保険的に組み入れ。
米高利回り債ETF(USHY 2.5%):5.5%前後の利回り。DRIPを活用し、永久保有。
米優先株ETF(PFF 2.5%):5.2%前後の利回り。USHY同様、DRIPを活用し、永久保有。
コモディティ:以前同様の布陣だが、石油銘柄は3銘柄に分散
コモディティは以前同様、石油・鉱物・穀物の3分野の個別銘柄を組み込むことで当面は対応したいと考えています。
石油銘柄(XOM, SNP, RDS.B 計3.0%):以前よりも分散を図るため、米・欧・中から1社ずつ(エクソンモービル、シノペック(中国石油化工)、ロイヤルダッチシェル)を選定。
鉱物銘柄(BHP, RIO 計3.0%):以前同様、BHPとリオティントの2社を選定。
穀物銘柄(ADM 1.5%):素晴らしい増配実績も踏まえ、穀物関連ではADMを選定。
ゴールド:金ETF 5% & 金鉱株 2.5%
こちらはポートフォリオ再構築前と同じ構成となっています。
金ETF(GLDM 5%):手数料の安い金ETFを5%程度組み入れ。
金鉱株(NEM, GOLD 計2.5%):産金量の多い金鉱株2社(ニューモント、バリックゴールド)を2.5%程度組み入れ。
株式比率向上でリスクは高まるも、以前よりバランスはいいはず
コモディティやゴールドでも個別銘柄を組み込んでいることを考えると、実質的には株式80:債券20のポートフォリオに近いリスク・リターンの状態になっていると思われます。
株式の比率が上がればボラが大きくなることは避けられませんが、その分、以前よりもセクターや国別の構成比や銘柄分散についてはバランスをよくしたつもりです。
私の場合、自己の判断でアクティブに相場を乗り切ることはできないと受け入れているので、その分、無知へのヘッジとして、可能な限り分散を効かせたポートフォリオを構築することで相場変動を乗り越えていきたいと思っています。
今回のポートフォリオなら、一部の個別銘柄を除き、下落相場においても保有銘柄を売却する必要性を感じることはないと思いますので、各銘柄を長期的に保有し続けることで、長期投資・複利の恩恵をいつか感じられるようにしたいと思っています。
本日は以上です。最後まで目を通してくださり、ありがとうございます。
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