【2022年9月末】レイ・ダリオの最新ポートフォリオ【Form13F】

オール・シーズンズ戦略

私の尊敬するレイ・ダリオさんが創業したブリッジウォーターの2022年9月末時点のポートフォリオが11月10日に公開されました。

だいぶ遅くなってしまいましたが、最新の内容を踏まえ、前回からの変化や、ポートフォリオ構成から私が感じたことなどをまとめてみました。

2022年9月末時点での主な保有銘柄

今回も前回同様、上位500銘柄を確認しました。

上位500銘柄でポートフォリオの97.8%がカバーされています。

2022年9月末時点のポートフォリオの資産配分は以下のとおりでした。

  • 米国株  79.0%
  • 中国株   6.8%
  • 新興国株  6.1%
  • 先進国株   1.8%
  • 米国REIT 1.4%
  • ゴールド  1.4%
  • 米国債券  1.1%
  • その他   2.3%(保有比率501位以下の銘柄など)

前回は上位100銘柄が全体の70.7%を構成していましたが、今回は76.3%でした。

上位250銘柄は、前回は全体の87.2%を構成していましたが、今回は90.8%となりました。

したがって、前回よりも上位銘柄(特に上位100銘柄)への集中が進んだことが分かります。

セクター別の構成比率では大きな変化はありませんが、以前より選好されている3セクター(Consumer Staples, Health Care, Consumer Discretionary)に引き続き重点的に投資されています。

<今回:2022年9月末>

<前回:2022年6月末>

赤字:過去に上位に入っていなかった銘柄

今回は米国株と中国株の比率が上昇しました。

全体的にはあまり大きな変動はありませんでしたが、ゴールドと米国債券(モーゲージ債・適格社債)も比率が若干上昇しています。

上位500銘柄のセクター別比率を見てみると、比率の大きい順にConsumer Staples 28.7%、Health Care 17.6%、Consumer Discretionary 12.9%となっており、この3セクターで全体の59.2%を占めています。

3か月前と比較して、Consumer StaplesとHealth Careは、それぞれ2.9%/1.6%の上昇を記録した一方、Consumer Discretionaryは1.1%の減少となりました。

なお、上記の数字は個別銘柄のセクターを集計したものですので、全体の17.4%がETFや501番目以下の銘柄で占められていることを考えると、上位3セクターがポートフォリオの65%ほどを占めているかと思います。

上位3セクター以外では、FinanceとInformation Technologyの比率が0.7%/0.6%上昇し、それぞれ7.3%/4.9%となっていますが、その他のセクターはすべて比率を落としています。

個人的には、かつてのようにマクロ投資家としてトップダウン的なアプローチでポジションを取ると言うより、個別株の状況(決算やバリュエーションなど)に応じてボトムアップ的にポジションを積み上げているのかな、という印象を持ちました(もちろんそれもマクロ分析のバックアップがあってのことですが)。

2022年7~9月に保有割合が上昇した銘柄

こちらが今四半期に保有割合が増加した銘柄トップ5です。

IVV(S&P 500)のみ前回から連続してランクインしています。

そのほかは、ビザ、モンデレズ・インターナショナル、ジョンソン&ジョンソン、ペプシコと大型優良株がランクインしております。

その他の上位100銘柄に目を向けてみますと、大型テック株ではアルファベット、メタ、マイクロソフトも買い増しされています。

また、中国株も今四半期は買い増されており、中国大型株ETFのFXI/MCHIはともに買い増しされていますし、個別株でもピンドゥオドゥオ、ニーオ、KEホールディングスなどが買い増しされています。

私の頼みの綱である中国株を買い増してくれていることはポジティブですが、正直まだまだ全然含み損なので、この程度では喜べません。

もっとしっかりと買い増しすることで相場全体を押し上げていってもらいたいものです。

2022年7~9月に保有割合が下落した銘柄

こちらが今四半期に保有割合が低下した銘柄トップ5です。

SPYはS&P 500のETFですが、それ以外はすべて米国大型優良株ですね。

買い増し銘柄も米国大型優良銘柄だったことを踏まえると、やはり個別銘柄の状況に応じた銘柄選定を進めていっているような印象を受けます。

ただ、前四半期で上位にランクインした銘柄の変動率が▲0.5%~▲3.3%だったことと比較すると、全体的に今四半期は大きな売り越し銘柄はなかったと言えそうです。

私自身は米国株は若干アンダーウェイトしておりますので、今四半期のブリッジウォーターの売り行動についてはあまり気になる点はございませんでした。

米国株以外の配分が少なく、今四半期は変化も乏しい

今回の内容を踏まえ、簡易的かつなるべく忠実にブリッジウォーターのポートフォリオを再現するとしたら、以下のような感じになろうかと思います。

  • 米国株   80%
  • 中国株   10%
  • 新興国株  5%(除く中国)
  • 先進国株 2%(除く米国)
  • 米国REIT 1.5%
  • ゴールド  1.5%

前回から変化に乏しく、あまり記事にする意味を感じられないのですが、前回から変化をつけようと思いまして、比率が1%程度の米国債券は除外しました。

ただ、正直この資産配分ですと先進国株・米国REIT・ゴールドは組み入れる意味がほぼないので、より単純化した下記の資産配分でほぼ同等の運用結果が得られるかと思います。

  • 米国株 (VTI)  85%
  • 新興国株 (VWO) 15%

オールシーズンズ戦略を参考にしつつ、レイ・ダリオ氏の発言内容を踏まえて、ゴールドや中国株をしっかり組み入れている身としては、かつてのブリッジウォーター的な買い行動を期待したいところですが、現実的には次世代に経営・運用がバトンタッチされてしまっているので、これが今後のブリッジウォーターのスタンダードな運用スタイルになるのでしょう。

ここ最近のポートフォリオ構成を見ていると寂しい気持ちになることは否めませんが、今後もレイ・ダリオ信者として、一応ブリッジウォーターのポジションはモニタリングしていきたいと思います。

本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

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