【2022年3月末】レイ・ダリオの最新ポートフォリオ【Form13F】

オール・シーズンズ戦略

私の尊敬するレイ・ダリオさんの2022年3月末時点のポートフォリオが5月13日に公開されました。

最新の内容を踏まえ、前回からの変化や、ポートフォリオ構成から私が感じたことなどをまとめてみました。

2022年3月末時点での主な保有銘柄

今回も上位250銘柄を確認しました。

前回と比較して、上位250位までに入ってくる新規銘柄も多く、若干ですが質的な変化も見られています。

2022年3月末時点のポートフォリオの資産配分は以下のとおりです。

  • 米国株  64%(REIT含む)
  • 新興国株 12%
  • 中国株   9%
  • ゴールド  2%
  • 先進国株  2%
  • 米国社債  1%
  • その他  10%(上位250位以降の銘柄)

前回は上位100銘柄が全体の82.1%をカバーしていましたが、今回は全体の75.4%とでした。

上位250銘柄では、前回は全体の93.8%をカバーしていましたが、今回は全体の89.0%となりました。

したがって、前回よりも上位銘柄への集中度合いが落ちていることが分かります。

セクター別の構成比率では大きな変化はありませんが、以前より選好されている3セクター(Consumer Staples, Health Care, Consumer Discretionary)へ引き続き重点的に投資していることが分かります。

<今回:2022年3月末>

赤字:前回は上位250銘柄に入っていなかった銘柄

※個別銘柄の大分類は本社所在地に基づく分類

<前回:2021年12月末>

今回は新興国株の比率が上がり、Energyやモーゲージ債のような新規セクターの組入もありました。

米国REITや軍需関連企業も上位250銘柄に複数ランクインしており、年初からのインフレやウクライナの状況を踏まえて、ポジション調整を行った様子が伺えます。

上位250銘柄のセクター別比率を見てみると、比率の大きい順にConsumer Staple 23.3%、Health Care 14.8%、Consumer Discretionary 11.1%となっており、この3セクターで全体の49.2%を占めています。

前回は上位3セクターが56.2%を占めていましたので、上位セクターの締める割合は減少しています。

上記の数字は個別銘柄のセクターを集計したものですので、全体の32.2%がETFや250番目以降の銘柄で占められていることを考えると、上位3セクターがポートフォリオの60%近くを占めているかと思います。

アセットアロケーションについては、比率は小さいもののEnergyと米国モーゲージ証券が新たに組み入れられ、米国REITの組入も増えました

いずれもインフレヘッジの代名詞的な存在ですので、昨年よりもインフレリスクをより意識しているように感じられます。

2022年1~3月に保有割合が上昇した銘柄

こちらが今四半期に保有割合が増加した銘柄トップ5です。

前回までは米国の大型優良株の買い増しが続いていましたが、今回は久しぶりにETFが名を連ねました。

EEMとIEMGは新興国株、MDTとPFEはヘルスケア分野の大手企業ということで分かりやすいのですが、5位にバークシャーハザウェイが入っているのが興味深いです。

もちろんバークシャーの組入理由は私には知る由もありませんが、実質的にはETF的なイメージで組み入れているのでしょうか。

結果としてこれらの動きが、全体としても新興国株とHealth Careの比率を上げることにつながっています。

ちなみに新興国株は前回の保有割合が下落した銘柄のトップ3をすべて占めていました。

今四半期は逆に買い増しに回っていますので、ブリッジウォーター内での新興国株に対する見通しが変化したのか、もしくは昨年末の売却はタックスロスセリングだったのでしょうか。

2022年1~3月に保有割合が下落した銘柄

こちらが今四半期に保有割合が低下した銘柄トップ5です。

GLDとIAUはゴールド、JDは中国株、HDとLOWはConsumer Discretionaryの銘柄ですね。

オールシーズンズ戦略や、以前からのレイダリオ氏のアドバイスに従い、ゴールドを握り続けている私としては悲しい限りです。

金利上昇に伴い、ゴールドの実質的な保有コストも上昇しているので、その辺りを踏まえた対応でしょうか。

HDとLOWについてはよく分かりませんが、各銘柄の業績と株価を見ながらポジション調整している感じではないでしょうか。

資産配分には大きな変化なし

今回の内容を踏まえ、なるべく忠実にブリッジウォーターのポートフォリオを再現するとしたら、以下のような感じになろうかと思います。

  • 米国株  70.0%(REIT含む)
  • 新興国株 15.0%(含む中国)
  • 中国株  10.0%
  • ゴールド  2.0%
  • 先進国株  2.0%
  • 米国債券  1.0%

前回からは新興国株(含む中国)と中国株の比率が逆転したくらいで大きな変化はありません。

ブリッジウォーターを参考にポートフォリオを組むなら、単純化して下記のような感じでいい気がします。

  • S&P500 70%
  • 新興国株 25%
  • ゴールド 5%

こちらも前回から変更なしです。

先進国株や米国債券は比率が低すぎるため、ポートフォリオに与える影響は無視できますので、単純に米国株・新興国株・ゴールドでポートフォリオを組めばよいのではないかと思います。

これならETF3つで作れますので、お手軽かつ手数料削減にもなります。

今後もブリッジウォーターのポジションを継続的にモニタリングしていきたいと思います。

本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

コメント

  1. マサ より:

    にこまるさん、

    いつもおもしろい記事を本当にありがとうございます。
    読むのを楽しみにしていて、自分の投資判断の参考にもさせていただいています。

    このところのブリッジウォーターのポートフォリオを分析すると、VT一本、VTI(90%)+EEM(10%)みたいに思うのですが、いかがですか?ただ、簿外のデリバティブがどれぐらいあるのかは、わかりませんが。

    • にこまる より:

      コメントありがとうございます。
      うーん、地域別構成比率ですとおっしゃる構成でも比較的近くなるかもしれませんが、内容としてはどうでしょうか。
      当記事でも記載していますが、ブリッジウォーターのセクター比率はVTやVTIなどの市場全体型のETFとは大きく異なるかと思います。
      たとえばVTIで最大の構成銘柄であるアップル、マイクロソフト、アルファベットあたりはトップ250にも入っておらず、情報技術セクターの比率がかなり低いです。
      実態は私にも分かりませんが、高いフィーを取るヘッジファンドが簡単に模倣できるようなポートフォリオ構成にすることはないでしょうし、実際には真似するのは困難なのかなと思っております。

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