【米国外株】VIGIは先進国・新興国の優良銘柄をカバーするETF【7年以上連続増配】

インデックス投資

米国株ETFで最も高品質なETFのひとつに10年以上の連続増配銘柄のみで構成される「VIG」がありますが、本日取り上げるのはその兄弟版ETFである「VIGI」です。

VIGIは、VIG同様、連続増配実績に着目したETFで、毎年着実に配当金が増加していくことが期待されます。

今後10年で米国外株が米国株をアウトパフォームすると予測されているなか、検討に値すると考えられるVIGIについて本日はまとめてみました。

※SBI証券で確認してみましたが、残念ながらSBI証券ではVIGIの取り扱いはなさそうです…

米国外(先進国・新興国)の連続増配銘柄を選別したETF

VIGIのベンチマークはNasdaq International Dividend Achievers Select Indexですが、こちらは本家VIGと同じコンセプトに基づき、連続増配年数をベースに対象銘柄を絞っています。

VIGは連続増配年数のハードルが10年ですが、VIGIは7年となっており、VIGよりも若干条件が緩くなっています。

VIGIの構成銘柄になるには連続増配年数に加え、出来高やNasdaq独自の要件(非公開)をクリアすることが求められます。

VIG同様、REITは投資対象外とされていますので、構成銘柄にREITが含まれることはありません。

VIGIの基本情報

米国外株ETFについては運用残高がぶっちぎりで最大のVXUSがベンチマークになろうかと思いますので、以下のとおり比較してみました。

VIGIの経費率は0.20%と完全パッシブ型のETF(VXUSやVTは0.08%)よりはやや高い水準となっていますが、個人的にはこの程度なら許容範囲かなと思っています。

設定日は2016年2月25日で運用実績は5年弱しかありませんが、純資産額は3,000億円を超えるところまで伸びてきています。

構成銘柄数は426となっており、十分な数と言えるのではないでしょうか。

なお、配当利回りは2%を下回る水準(1.62%)となっており、配当着目型のETFですが、インカムはあまり期待できません(VXUSの配当利回りは2.30%)。

代わりに配当というフィルターを通して組入銘柄の質(株価成長)と、毎年かなりの確度で増配していくこと(強固な増配性)が担保されていると理解した方がよさそうです。

VIGIの構成比率と上位銘柄

VIGIの国別構成比は以下のとおりです。

上位10か国で全体の87.15%を占めています。

上から順にスイス、日本、香港、フランス、インド、英国、カナダ、オランダ、ドイツ、豪州とよさげな国が並んでおり、比率で見てもどこかが突出するような形にはなっていません。

いい感じのバランスと言えるのではないでしょうか。

次にセクター別構成比をVXUSと並べて見てみましょう。

特定のセクターへの偏りはなく、上から順にTechnology, Consumer Non-Cyclicals, Financials, Consumer Cyclicals, Industrials, Healthcareと並んでおり、これらのセクターがそれぞれ13.4~17.2%を占める構成になっています。

国別比率同様、セクターのバランスについても個人的にはいい感じな気がしています。

最後に上位銘柄(トップ10)をVXUSと並べたものです。

VIGIの上位銘柄は、テンセント(IT/中国)、LVMHグループ(高級嗜好品/フランス)、ネスレ(食品/スイス)、ロシュ(製薬/スイス)、ノバルティス(製薬/スイス)、ASML(半導体製造装置/オランダ)、リライアンス・インダストリーズ(石油化学/インド)、ロレアル(化粧品/フランス)、タタ・コンサルタンシーズ(IT/インド)となっています。

また、上記以外でも、SAP(IT/ドイツ)、AIAグループ(保険/香港)、キーエンス(FA/日本)、エルメス(高級嗜好品/フランス)、HDFC(銀行/インド)、エアバス(航空・防衛/フランス)、ディアジオ(酒/英国)など各分野で世界を代表する一流企業が20位以内に名を連ねています。

VIGIの上位銘柄の構成比率は以下のとおりです。銘柄数の割に上位銘柄の比率が高いです。

  • 上位10銘柄:30.40%
  • 上位20銘柄:44.11%
  • 上位30銘柄:52.85%
  • 上位40銘柄:58.99%
  • 上位50銘柄:63.76%
  • 上位100銘柄:79.41%

VXUSの上位10銘柄との比較では、アリババ、台湾セミコンダクター、サムスン電子、トヨタ自動車がVIGIからは除外されています。

VIGIの運用実績

VIGIの設定来のパフォーマンスをVXUSと比較してみました。

https://www.morningstar.com/etfs/xnas/vigi/quote

オレンジがVXUS、青がVIGIで、2016年2月26日~2020年12月18日が対象期間です。

コロナ以降、VIGIがやや優勢ですが、同期間のリターンはVIGIが74.78%、VXUSが65.58%とほぼ同水準のパフォーマンスとなっています。

年初来チャートと各期間のリターンは以下のとおりです。

https://www.etf.com/etfanalytics/etf-comparison/VIGI-vs-VXUS

過去3年以内の期間では、VIGIがVXUSを明確に上回っていますが、これが構造的な優位性と言えるのかどうかはもう少し時間が経たないと分かりませんね。

結論:米国外株はVIGIを軸に組み立てていきたい

個人的には米国外株は過去の栄光のおかげで未だに時価総額だけはそこそこあるものの、実態としては落ちぶれていっている銘柄が、日本を含め、特に先進国株では結構あると思っています。

VIGIでは配当というフィルターを通して、そういうダメ企業をいくらか排除することができると思っていますし、実際の組入銘柄を見ても、素直に投資したいと思える企業が多かったので、このETFは好意的に見ています。

私は最終的には金融資産が生み出すキャッシュフローだけで生活できるようになりたいと思っていますので、そのためには時間の経過とともに追加投資がなくとも自ずとキャッシュフローが増大していくようなポートフォリオを構築したいと考えています。

その観点からも増配実績でフィルタリングするVIG/VIGIシリーズは、現時点での利回りこそ低いものの、長期的にはじわじわとポートフォリオの利回りを上げていってくれるはずで、運用期間が長ければ長いほど報われる可能性が高くなるETFだと信じています。

最終的には組入銘柄と過去のパフォーマンスを見て、VIGIを米国外株の主力に採用することにしました。

現状、ポートフォリオの10%をVIGIに振り向けていますので、今後、長期で保有し続けてどうなっていくか、楽しみに見守っていきます。

本日は以上です。最後まで目を通していただき、ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました